ソフトバンクは2020年10月26日、デル・テクノロジーズのクラウドインフラストラクチャーおよびヴイエムウェアの仮想化技術を活用した5Gの通信基盤を構築することに合意したと発表した。
これにより、通信機能を仮想化してクラウド基盤上でソフトウエアとして運用(Network Function Virtualization:NFV)することで、データ処理機能やストレージなどのリソースを分割し、用途や目的に応じて超低遅延や多数同時接続を実現するネットワークスライシングによる通信サービスと、マルチベンダー・マルチファンクション対応の通信基盤を実現する。
また、各地のネットワークセンターにヴイエムウェアの仮想化技術を採用したマルチテナント型のエッジクラウドを展開することを検討する。ヴイエムウェアの仮想化技術をエッジクラウドに利用すると、企業はオンプレミス環境からクラウド環境へ容易に移行でき、またオンプレミス環境と比較して設備や運用コストを抑えて、低遅延のサービスの利用や企業ネットワークの構築が可能になるという。
ソフトバンクでは、2022年度から提供を予定しているプライベート5Gサービスのコアネットワークに、ヴイエムウェアの仮想化技術を導入することも検討する。パブリック5Gのコアネットワークと同様の方法でプライベート5Gの運用管理・監視ができるほか、自社のクラウド環境でヴイエムウェアを利用中の企業は、プライベート5Gの環境にアプリケーションなどを容易に転用することが可能になる。また、省スペース環境での運用に向けて、デル・テクノロジーズのインフラストラクチャーの導入も検討するという。
ソフトバンクが採用するヴイエムウェアとデル・テクノロジーズのソリューションは、以下の通り。
・VMware Telco Cloud Platform
セキュアで安定したサーバーの仮想化技術やコンテナ型仮想化技術、ネットワークの仮想化技術、HCI(ハイパー・コンバージド・インフラストラクチャー)を活用したNFV基盤を構築し、マルチベンダー・マルチファンクション対応を可能にします。また、運用管理ツールとオーケストレーションツール※4でネットワークの運用を自動化するほか、1つのプラットフォームでネットワークとアプリケーションの運用をサポートする。
・VMware Tanzu
ヴイエムウェアのサーバー仮想化基盤をコンテナ基盤やKubernetes基盤として利用することが可能で、ユーザーによるクラウド環境への移行を容易にする。また、エッジクラウドやプライベート5G、パブリッククラウドなどを一元的に管理・制御することで、アプリケーションのセキュアな実行環境をユーザーに提供することができる。
・Dell EMC Ready Solution for VMware NFV Platform
開発工数・コストを抑えて導入できる、クラウドインフラストラクチャーのターンキーソリューション。このプラットフォーム上でサーバーの仮想化およびコンテナ型仮想化が可能。