今年12月に商用サービスを開始するNTTドコモの2年後、2012年末にLTEを導入するKDDIは、ドコモ以上にLTEに意欲的な携帯電話事業者といってよい。KDDIは、サービス開始後2年強の2014年末までに人口カバー率96.5%の広範なサービスエリアを構築する計画を打ち出しており、同年度末までの次世代インフラ向け投資は4事業者の中で最高の5150億円を予定している。
こうしたLTEへの積極姿勢の背景には、KDDIの3GシステムCDMA2000が現在置かれている状況がある。
失われたインフラの優位性
KDDIは2G(デジタル携帯電話)のシステムに、いったんはドコモやソフトバンクと同じPDCを採用した。しかしその後、北米CDMA方式「cdmaOne」に転換、2002年からその発展系である3GシステムCDMA2000の展開を開始したが、この選択が以降のKDDI躍進の大きな要因となった。
KDDIは既存の800MHz帯に導入できるCDMA2000の特性を生かし、他社に先駆けて3Gで全国エリアを整備。2003年には下り最大2.4Mbpsの高速データ通信に対応したCDMA2000 1x EV-DOを導入、音楽配信などを先行展開することで競争を優位に進めてきた。さらに2006年からは下り最大3.1Mbpsのデータ通信に対応する改良規格EV-DO Rev.Aの展開もスタートさせている。
だが、その後、他社がW-CDMAインフラの整備が進んだことや06年に展開が始まった高速データ通信規格HSPAの普及で、すでにKDDIのインフラの優位性は失われている。その再強化が同社の喫緊の課題なのである。