IDC Japanは2020年2月5日、国内IoTインフラ市場予測を発表した。

これによると、2019年の国内IoTインフラ市場の支出額は、前年比16.2％増の998億円になる見込み。また、2018～2023年の年間平均成長率（CAGR）は15.8％で、2023年の支出額は1788億円になるという予測だ。

IDCではIoTを3層モデルで定義しており、これに基づき「IoTコアインフラ市場」と「IoTエッジインフラ市場」の2つのセグメントに分けた市場予測も行っている。

IoTの3層モデルとIoTインフラ市場の対象

2019年の国内IoTコアインフラ市場の支出額は、前年比12.3％増の666億円。2018～2023年のCAGRは12.0％で、2023年の支出額は1046億円になる見通しだ。

より成長率が高いのは、IoTエッジインフラ市場の方だ。2019年の国内IoTエッジインフラ市場の支出額は、前年比25.1％増の331億円。2018～2023年のCAGRは22.9％で、2023年の支出額は742億円と予測している。

レイテンシーやセキュリティの観点からIoTエッジ層でのデータ分析処理を志向する企業が増えてきていること、AI技術が活用できる高仕様のIoTエッジインフラが登場していることなどが、企業のエッジ指向が高まっている要因になっているという。

「IoTの普及と共に、IoTエッジ層におけるデータ分析処理のニーズが高まり、IoTエッジインフラ市場は、注目すべき成長市場になる。IoTインフラベンダーは、IoTエッジインフラの製品ラインアップを強化し、自社のIoTインフラビジネス拡大につなげていく必要がある」とIDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は述べている。