クアルコムは2019年9月19日、5Gのグローバルでの状況と同社の取り組みについて説明会を開催した。
クアルコム プレジデントのクリスティアーノ・アモン氏は「5Gがこれまでの世代交代と違うところは、モバイルだけでなくあらゆる産業に根本的な影響をもたらす基盤になることだ」と前置きし、「特に日本においては製造業、自動車、エンターテイメントなど様々な業種に5Gが大きなインパクトをもたらし、5Gによって日本の産業の競争力が増す」と強調した。
クアルコム プレジデント クリスティアーノ・アモン氏
5Gはクラウドとの接続性を向上させ、クラウドコンピューティングやAIなどをはじめとしたデジタルトランスフォーメーションに重要な役割を果たす。アモン氏は、「スマートフォンだけでなく、あらゆるものが5Gによって繋がることが当たり前になる。5Gは電気のような”あって当然”の基本的な技術になる」と述べた。
「5Gは様々な業種に非常に大きなインパクトを与える」(アモン氏)
さらに、4Gと5Gの大きな違いとして、5Gの商用展開が圧倒的に大規模かつ迅速である点を挙げた。4Gが始まった最初の1年は、4Gを提供する世界の通信事業者は4社程度で、カバーできるユーザーは1億2000万人程度だった。しかし5Gは初期の段階から主要国で同時に展開されており、カバーできるユーザーは22億人になっているという。
5Gは初期の段階から主要国で同時に展開
また、3G、4Gの時にはネットワークはあっても端末が用意できていなかったが、5Gは既に様々なフラッグシップのスマートフォンやデータ系の端末、モジュールなどが実際に商用化されている点も迅速な展開に繋がっているとアモン氏は言う。
すでに様々な端末が商用化されている
「なぜこのように5Gが圧倒的なスピードで展開しているかというと、デジタルトランスフォーメーション時代に向かって、コンシューマー向けだけではなく、産業界全体に非常に大きな効果をもたらす技術基盤となるからだ」(アモン氏)