ソフトバンクグループのコンテンツ配信会社、ビューンは2010年6月1日からiPadやiPhone、iPod touch、ソフトバンクモバイルの3G携帯電話など向けに、雑誌や新聞、書籍、TVニュースなど30以上のコンテンツをパッケージ化して定額料金で提供する新サービス「ビューン」を開始する。

このサービスはiPad/iPhone/iPod touchでは、App Storeから閲覧アプリ（無料）をダウンロードして利用するもの。ソフトバンクの携帯電話ではYahoo!ケータイのコンテンツとして提供される。利用料金は、iPad向けが450円/30日、iPhone/iPod touch向けが350円/30日、ソフトバンク携帯電話向けが月額315円。いずれも最初の30日、1カ月間は無料で使える。通信料金は別途発生する。

発表会の冒頭、孫正義ソフトバンクグループ代表は「もはやiPadのない生活は考えられない」と強調した

サービス開始当初は、以下の図表に示した31のコンテンツが13の出版社/新聞社/テレビ局から提供される。

図表　ビューンのサービス開始当初のコンテンツ

コンテンツの内容はiPad、iPhone/iPod touch、携帯電話向けでそれぞれ若干異なっているが、その中でも高い表現力を持つiPad向けがサービスの中心となっている。

ビューンが特に注力するのが雑誌で、21誌がラインナップされている。その多くでは、発売日に主要記事が配信され、次号発売までに誌面の5割程度がアップされるという。バックナンバーの閲覧も可能だ。

ビューンのトップ画面。提供されているコンテンツの「中吊り広告」が上部に表示される

新聞では、毎日新聞、朝日新聞、西日本新聞、スポーツニッポンがiPad向けの特別編集版を提供する（西日本新聞はiPhone/iPod touch版も提供）。

毎日新聞が提供しているiPod向けの特別編集版

動画の描写力とネット接続による速報性というiPadの特徴を生かすコンテンツとして日本テレビの24時間ニュース配信サービスも提供される。

動画とテキストでニュースも配信される

5月31日に開かれたサービス発表会の冒頭で挨拶した、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏は、このサービスを「日本のデジタルコンテンツの塊として唯一足りなかった雑誌、書籍を本格的に提供するもの」と説明。雑誌21誌、新聞3紙、TVニュースなどの計31のコンテンツが月額450円という格安の料金で利用できる点をアピールし、「（iPadの）標準装備に近い形で展開していきたい」と意欲を見せた。

また、ビューン代表取締役社長の蓮実一隆氏は、「ビューンは決して試験的なサービスではなく、情報提供会社を含めてビジネスベースで成立するものとして展開している」としたうえで、各提供会社に情報提供量などに応じた対価を支払うレベニューシェア型のビジネスモデルをとっていることや、情報提供会社と共同での広告ビジネスの展開を計画していることを明らかにした。

安価な定額料金で31の媒体のコンテンツが利用できると説明するビューン代表取締役社長の蓮実一隆氏