IDC Japanは2019年4月4日、世界全体のセキュリティソリューション市場の支出額予測を発表した。
これによると、セキュリティ関連のハードウェア、ソフトウェア、サービスに対する世界の支出額は、2019年に1031億ドルに達する。前年と比較すると9.4%の増加だ。
2019年にセキュリティソリューションへの支出額が最も多いと予想される上位3つの業界は、銀行、組み立て製造業、連邦/中央政府。これら3業界の支出額の合計は300億ドル以上になる見通しだ。
「セキュリティ支出額が大きく成長率が高い業界を上位から検証していくと、銀行や官庁など、規制のある環境で機密性の高い情報を保護する責任を負った業界が中心になっていることが分かる。さらに、専門サービス会社や通信事業者など、情報ベースの企業による支出が急速に伸びている。ただし、セキュリティへの投資は、業界を問わず実質的にすべての企業で優先度が高いことに変わりはない。どんなビジネスにも安心感は欠かせないからだ」。米IDC Customer Insights & Analysis バイスプレジデントのジェシカ・ゴエプファート氏はこう述べる。
技術カテゴリー別に見ると2019年に最大の支出が見込まれるのは、マネージドセキュリティサービス(MSS)だ。24時間体制の監視とセキュリティオペレーションセンター(SOC)の管理に、210億ドル以上が費やされるという。2番目はネットワークセキュリティハードウェアで、この中にはUTM、ファイアウォール、IDS/IPSが含まれる。
セキュリティソリューションに対する世界の支出額は今後もこのペースで成長する見通し。2018~2022年の年間平均成長率(CAGR)は9.2%、2022年には総額1338億ドルに達する見込みだという。