DXとセキュリティを両立、デロイトが新会社を設立

デロイト トーマツ グループがサイバーセキュリティの専門会社を設立した。グループに散らばるセキュリティ対策部門を統合し、新会社としてソリューションを提供する。

デロイト トーマツ グループは2019326日、セキュリティソリューションを提供する「デロイト トーマツ サイバー合同会社(DTCY)」を設立すると発表した。6月からの営業開始を予定している。

DTCYで代表執行者を務める予定の木村研一氏は新会社設立の背景として、まずは「現状、データを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)がビジネスに非常に大きなインパクトを与えている」と説明。続けて、調査会社IDC Japanの統計を引用し、コンサルティング業界の市場動向について「デジタル領域だけは成長し、それ以外は伸びないという深刻な状態だ」と指摘した。

コンサル業界もデジタル分野に力を注ぐ

DX支援などのデジタル分野は右肩上がりで拡大していくが、それ以外の戦略コンサルティング分野などはほとんど成長しない。そのためデロイト トーマツ グループも今後3年で、デジタル分野に400億円投資すると表明しており、DXのコンサルティングなどを強化していく戦略だという。

ただ、デジタルトランスフォーメーションに挑戦するということは会社の成長がデジタルに依存するということ。裏を返せばサイバー攻撃のリスクが大きくなるということでもある。
そこで、デロイト トーマツ グループはDTCYを設立し、グループ内に散らばるセキュリティソリューション関連の部門から120名を配置。今後は、グループ全体でDXのコンサルを手掛ける中で、DTCYがサイバーセキュリティの分野で支援していくという。
木村氏は「例えば、M&Aを実施するときに、買収先のサイバーセキュリティ対策がいかに充実しているかも重要な指標になる。そこでDTCYの専門家が入り、リスク評価などを行う」とDTCYの役割を説明。「孤立した存在ではなく、グループで様々なビジネスを作っていくために新会社として生まれた」と話した。
デロイト トーマツ サイバー合同会社で代表執行者を務める予定の木村研一氏
デロイト トーマツ グループ リスクアドバイザリー ビジネスリーダーならびに
有限責任
監査法人トーマツ執行役を兼務

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