IDC Japanは2018年7月23日、イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場における2017年のベンダーシェアを発表した。
半数近い46.6%のシェアを獲得し、「圧倒的な市場のリーダー」(IDC Japan)となったのはシスコシステムズだ。イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LANの各製品セグメントで50%前後のシェアを有しており、総合力で他社を「大きく引き離して」いるとIDC Japanは評価した。2位以下は、7ベンダーがシェア4~5%で競い合う混戦状態となっている。
製品分野別では、昨年拡大したイーサネットスイッチ市場において、首位のシスコ以外にもアリスタネットワークスやジュニパーネットワークスがシェアを伸ばした。また、国内企業向けルーター市場の中でも、最も市場規模が大きいSOHOルーター市場においては、ヤマハとNECが売上を大きく伸ばし、シェアも増加している。ヤマハは同市場におけるシェアが50%に迫り、2013年以降で最高のシェアを記録した。
企業向け無線LAN機器市場も、ほぼすべての上位ベンダーが軒並み2桁成長を達成し、大きく拡大している。IDC Japanは、圧倒的首位のシスコと、混戦している2位以下のべンダーという国内ネットワーク機器市場の構図から抜け出すためには、成長性の高い無線LAN機器市場が重要であると分析している。
IDC Japanの草野賢一氏は「無線が優位になる「ワイヤレスファースト」の時代に即した製品ラインナップ強化を進めるべきである。ネットワーク機器製品のポートフォリオを幅広く持つと共に、無線LAN機器に最も注力すべきである」と解説した。
国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア実績