「世界初。海でNB-IoT」――。こんな見出しで、モバイルキャリアのテリア・ノルウェーが2017年3月17日に発表したのは、海に浮かぶ小型ボート用のIoTソリューションだ。
北欧では小型ボートに乗って休日の海を楽しむ人が多いが、彼らにとっては平日の悪天候も心配事の1つだ。「ボートの中に雨水が溜まって沈んでいないか」と心配し、ボートを停泊させている海岸までクルマで駆けつける人が少なくない。
そこでテリア・ノルウェーはスタートアップ企業のSolPumpaとともに、小型ボート用のIoT排水ポンプ「SUB-Pump」を開発した。SUB-PumpはNB-IoTの通信モジュール、センサー、太陽光発電システム、GPSなどを搭載しており、もしボート内に一定量の雨水などが溜まったら自動的に汲み出してくれる。
また、SUB-Pumpのバッテリー充電残量、ポンプの稼働量、ボートの位置などを確認するためのアプリケーションも提供している。ボートの所有者はSUB-Pumpを設置しておけば、わざわざ海へ行かなくてもボートの状態を把握できる。製品価格は3390ノルウェー・クローネ(約4万7000円)で月額利用料が別途必要になる。
IoT排水ポンプ「SUB-Pump」。ボート内に水がたまると自動的に透明の管から排水してくれる
「NB-IoTとGPS、センサーがあれば、エキサイティングなソリューションをもっとたくさん実現できる。ボートの盗難防止、レンタルボートのロケーション管理、デッドマン装置(操縦者が死亡・意識不明に陥ったときに自動的に停止するなどして事故を防止する装置)のモニタリング、天気アラートや緊急サービスなどとの連携も可能だ」と、SolPumpaを起業したGraesholt氏は語っている。