NTT西日本は2017年5月31日、SD-WAN技術とエッジコンピューティング技術を組み合せた新たなプラットフォームの実証実験を開始すると発表した。
これは、今後のIoT拡大に向けた取り組み。IoTにおいては、LPWAのような小容量データ通信に加え、ドローンをはじめとするデバイスの自動制御など、高いリアルタイム性が求められるシステムや、カメラ映像などの大容量データを用いるシステムも必要になると同社は考えている。
NTT西はこれまで、「LPWAネットワークを活用したフィールドトライアル」「ドローンを活用した太陽光パネル点検ソリューション」などに取り組んできた。そうしたなか、今回の実証実験では、高速なデータ処理や短時間での応答データのセキュリティ確保、通信の安定性などを提供するプラットフォームの実現を目指す。
新プラットフォームは、各地に点在するNTT西日本通信ビル内にサーバーやネットワーク機器などから構成されるクラウド基盤を設置。ビジネスパートナーの拠点とクラウド基盤をSD-WAN技術を用いた仮想ネットワークで接続する。
活用シーンとしては、スポーツの試合映像をパブリックビューイング会場へのライブ配信が考えられる。
従来は、現地映像を遠方にあるパブリッククラウドへ伝送し、パブリッククラウドで処理したあとにビューイング会場へ伝送していたため、映像の遅延が発生する可能性があった。しかし新プラットフォームであれば、近くのNTT西日本通信ビル内のクラウドで一次処理できるため、低遅延で映像を伝送することが可能になり、現地とパブリックビューイング会場が一体となって応援できるような未来を実現できるという。
実証実験の第一弾として、2017年6月~2018年3月まで、「カメラシステムによる空港内の遠隔監視」を行う予定だ。