法人向けのNGNサービスには現在、光ブロードバンドサービスの「フレッツ 光ネクスト」と、「ひかり電話」「ひかり電話オフィスタイプ」「フレッツVPNゲート/ワイド」等がある。これらの対応機器にはどのようなものがあるのだろうか。
結論から言えば、対応機器の数はまだまだ少ない。NGNならではの機能がいまだ高音質電話、SD/HD品質テレビ電話程度に限られる現状では、それも致し方ないところだろう。
NEC・シスコのテレビ会議が対応
さて、実際の対応機器について見る前に、曖昧に用いられることの多い「NGN対応」という言葉の意味するところを整理しておく必要がある。NGNならではの機能を使うための、本来の意味での「NGN対応」と、インターネット接続等を行うアクセス回線としての光ネクストへの接続の可否を示す「光ネクスト対応」とが混同されがちだが、ここでは両者を分けて考えることにする。
図表には、NTT東西が販売する「光ネクスト対応」の法人向け通信機器と、ひかり電話端末を掲載した。「NGN対応」を示す高音質電話、SD品質テレビ電話の利用の可否も合わせて掲載したが、利用できる機器はまだわずかだ。
このほか、NTT以外のサードパーティベンダーが提供するNGN対応機器としては、NECの多目的ビデオステーション「NC1000-MV」、シスコシステムズの「テレプレゼンス」がある。どちらも、ひかり電話の付加サービスであるテレビ電話機能を使った映像コミュニケーションが利用可能だ。
ひかり電話のテレビ電話機能を利用する第1の利点は、電話を掛ける操作だけでテレビ会議が使えること。もう1つは、高額な専用線やVPNサービスを利用せずとも、従量課金のひかり電話の料金で帯域確保されたテレビ会議ができることだ。SD品質なら3分15.75円、HD品質なら3分105円を、使った分だけ支払えばよい。
一方、これら以外の通信機器、例えばNTT以外のビジネスホン等は、NTT東西のひかり電話対応アダプタ「Netcommunity VGシリーズ」を使用して光ネクストに接続する。なお、日立製作所のビジネスホン「integral-E」が、年度内の光ネクスト直収対応を予定している。
また、VPNサービスに関しては、NECや富士通をはじめとする10社のブロードバンドルーター計66機種(2009年10月8日時点)が対応している。ルーター機能(PPPoE/IPv6ブリッジ)や、光ネクストのオプションサービスへの対応状況は、NTT東のWebサイト(http://files.com/next/)で確認できる。