ファーウェイ、ボーダフォン、クアルコム・テクノロジーの3社は2017年2月20日、3GPPの最新規格「Release 13」に基づく世界初のLicense Assisted Access(LAA)対応ネットワークをトルコで構築したと発表した。
LAAは、免許不要のアンライセンスバンド向けのLTE技術。イスタンブールにあるスタジアム「ボーダフォン・アリーナ」でLAA対応ネットワークの試験を行い、最大370Mbpsの通信速度を記録したという。利用した周波数帯は、アンライセンスバンドである5GHz帯の40MHz幅と、ライセンスバンドである2.6GHz帯の15MHz幅で、これら3波を束ねたキャリアアグリゲーションを実施した。
3社によると、同じ40MHz幅の周波数を使用した場合、LAAの周波数利用効率がWi-Fiよりも優れていることが分かったという。また、LAA対応ネットワークがWi-Fiと問題なく共存可能であることも示せたとしている。
トルコのサッカークラブ、ベシクタシュJKのホームスタジアムである「ボーダフォン・アリーナ」(トルコ・イスタンブール) |
今回のLAA対応ネットワークは、ファーウェイの屋内モバイルブロードバンドソリューション「Lampsite」を利用している。ファーウェイのスモールセル製品はすべてLAAをサポートしているという。また、LAA対応のスマートフォンは、2017年中にはコンシューマー市場に登場する見込みとのこと。
ボーダフォン・グループのネットワーク部門トップであるサンティアゴ・テノリオ氏は、「ボーダフォンはLAA技術を活用することで、お客様のユーザー体験を向上できるだろう。LAA対応ネットワークでは4Gで利用している既存のコアネットワーク、ネットワーク管理システム、課金システムを流用することが可能なため、費用対効果も効果的に向上できるだろう」とコメントしている。