「UCはようやく本領発揮する時期」、日本企業のUC採用率が20%を突破

ガートナー ジャパンは2016年3月31日、日本企業の社内コミュニケーションに関する調査結果を発表した。

これによると、会議と電子メールの数を「もっと減らすべき」と考えている企業は、全体の3分の2を上回った。フェイス・トゥ・フェイスでの会議やメールに強く依存した社内コミュニケーションの現状に、問題意識を持っている企業が非常に多いことが分かる。

国内企業の社内コミュニケーションに関する課題

一方、ユニファイドコミュニケーション(UC)の採用率は、従業員数2000人以上の規模の企業において、今回ようやく20%を超えた。また、採用予定の企業も最大となった。

UCの導入の推移(従業員数2000人以上)

今回の調査結果について、ガートナー ジャパン リサーチ部門リサーチ ディレクターの池田武史氏は、次のように述べている。

「社内のコミュニケーションでは、直接会って顔を見ながら話すことのできる対面式の会議が重要視される。一方、時間や場所に拘束されることなく相手に情報を伝えることのできる電子メールも便利なツールである。しかしながら、限られた時間の中で成果を出すことが求められる多くの企業では、意思決定を速やかに行う上で最適なコミュニケーションのツールは何かを常に意識し、選択しなければならない。今回の結果は、どちらかのユーザーの一方的な都合でこれらのツールを濫用してしまうことで、組織全体のコミュニケーションのバランスが崩れ、その結果、徐々に負担が増して困惑している姿を反映しているといえる。企業はビジネスの優先度に応じてコミュニケーションツールを使い分けることの重要性をあらためて認識し、社内のルールや慣習の見直しを行う必要がある」

さらに池田氏は、今後の社内コミュニケーションの在り方について、「モバイル・デバイスからの参加が増えることも予想されるので、在席情報を利用したり、電話の前にテキストチャットで様子をうかがったりといった使い方なども含め、社内コミュニケーションインフラの新機軸を確立することが急務となる」と指摘。

そのうえで、「会議と電子メールの間を担ってきた音声通話のインフラである構内交換機(PBX)は、映像やテキストなどを複合的に取り込んでUCにその機軸を譲る動きを促進するとみている。これまで数年にわたって普及が伸び悩んできたUCは、ようやく本領を発揮する時期が来たともいえるが、その採用はPBXの更改やオフィス移転といった既存のインフラの入れ替えのタイミングがきっかけとなるケースが多いことから、企業はこういった機会を確実に利用していくべき」とアドバイスしている。

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