――2014年度の市場はどういう状況ですか。
野田 CIAJの調査によると、上期は前年度比95%で推移しています。NECでも、ビジネスホンは消費税の影響で4~5月は落ち込みました。6、7、8月は徐々に上がっています。やはり振れ幅が大きかったです。逆に、PBXは堅調で消費税の影響は予想以上に少なかったようです。
企業ニーズという点では、スマートデバイス、特に格安スマホの活用の動きが顕著になってきています。当然、通話だけでなく、業務とどう連動させるのかということに関心が高まっています。
特にPBXの大規模クラスの企業では業務システムとの連携が活発化しています。病院関係ではナースコールとの連動が、また、一般企業では勤怠管理システム「勤次郎Enterprise」(日通システム)との連動などが好評です。
NECが2013年末に発表したコミュニケーションと業務システムとの連携を目指す「デザインドコミュニケーション」のコンセプトがじわじわと浸透していると思います。
――2015年のビジネスホン/PBX市場をどう予測していますか。
野田 2015年度は非常に厳しいと見ています。ほぼ2014年度並みの規模ではないでしょうか。
厳しい見方をしているのは、日本経済の動きが不透明で、むしろ景気がマイナス要因として働いているからです。また、通信だけではなくICT市場全体を見ると大きな波が期待できません。サーバーやストレージなどが伸びても微増か横ばいの予想です。しかも、オンプレミスからクラウドへシフトしています。PBX/ビジネスホンがどれだけ伸びるかは単に通信系だけではなく企業の投資の中でのICT投資動向にかかっています。