――通信キャリアも、そのインフラ向け機器を提供するベンダーも、いよいよ2015年からNFV(Network Functions Virtualization)が本格化すると見ています。
河村 我々もまったく同じで、2015年度から立ち上がると考えています。今年度上期までと比べるとお客様の意識はかなり変わり、今は市場全体がSDN(Software-Defined Network)とNFVに取り組んでいかないと遅れてしまうという流れになっており、商用化も近いと感じています。
――変化の要因は何でしょうか。
河村 やはり、トラフィックが明らかに増大していることが背景にあります。どのキャリアにもTCOの削減は急務であり、その解決策としての期待が高まっているのです。さらに、ネットワーク事業が土管化していることで、新たなサービスと価値を創出していかなければならないという危機感も大変大きくなっています。この2つの流れがSDN/NFVを後押ししています。
NEC 執行役員 兼 第一キャリアサービス事業部長 河村厚男氏 |
例えば当社がCPE(顧客宅内通信機器)の仮想化(以下、「vCPE」)で共同実証を行っているテレフォニカは、TCOの削減をNFV導入の最初のターゲットとしています。
特にNFVの効果が大きいと見込まれているのがオペレーションコストの削減です。CPE、つまり家庭内のホームゲートウェイを仮想化して、その機能をネットワーク側に持ってくると保守作業員がユーザー宅に出向いて作業を行う必要が無くなります。その効果が非常に大きいのです。
vCPE以外にも、様々なネットワーク機器の仮想化についてロードマップを策定しようとしています。我々も最新の技術動向を踏まえながら、今後どのように進めていくべきか、テレフォニカと議論を行っており、EPC(LTEコア網)の仮想化(以下、「vEPC」)についても対応していきます。