ICT総研は2014年5月2日、東京都心部のオフィスビルにおけるスマートフォン電波状況実測調査の結果を発表した。都心部のオフィスビルは、LTEのエリアカバー自体はされているものの、遮蔽物などの関係で高速データ通信がしにくい場合があると言われており、その実態把握を目的にしているという。
測定地点は、丸の内、大手町、赤坂・六本木、新橋・汐留、新宿、品川エリアにあるオフィスビル40箇所。主に高層ビルを対象としており、ビルの1階と上階(一般人が入れる可能な限りの上階)の2地点で測定しているのが特徴だ。また、測定に使用した端末は、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルがiPhone 5c、イー・モバイルがEM01Fである。
調査結果によると、4社平均のLTE受信比率は、ビル1階では96.3%だったのに対し、ビル上階では85.6%だった。ビル上階は地上付近からの電波が届きにくく、「ビル内部等に電波対策がされているかどうかが受信状況に影響していると考えられる」という。
キャリア別に見ると、ビル1階についてはauとソフトバンクが100%、次いでイー・アクセスの95.0%、NTTドコモの90.0%だった。ビル上階は、キャリア間の差がビル1階よりも大きくなっており、auが100%、ソフトバンクが90.0%、NTTドコモが85.0%、イー・モバイルが67.5%。auはビル1階と上階の両方でLTEを100%受信できた。
また、ビル1階およびビル上階での平均速度は、次の表の通りの結果となった。下り平均速度が一番高速だったのは、ビル1階がソフトバンクで19.27Mbps、ビル上階がauで18.99Mbps。上り平均速度については、ビル1階と上階ともにソフトバンクが最速だった。