米Zoom Communicationsは2026年10月20日(現地時間)、年次イベント「Zoomtopia 2026」を開催し、AI戦略の中核となる「Unified Context Layer」を発表した。

Unified Context Layer
Unified Context Layerは、Zoom MeetingsやZoom Phone、Zoom Team Chat、コンタクトセンターなどで交わされた会話を、社内文書や接続済みの外部システムにある情報と関連付ける基盤である。会話に含まれる意思決定や顧客情報、次に取るべき行動を共有可能な文脈へ変換し、人やAIエージェントが業務を完了まで進められるようにする。
同社は、会話の記録や要約を中心としたサービスから、会話を具体的な行動につなげる「system of action」への進化を掲げる。

Zoom Communications President of Product and Engineering(プロダクトおよびエンジニアリング本部長) Velchamy Sankarlingam(ヴェルチャミー・サンカーリンガム)氏
プロダクトおよびエンジニアリング本部長のヴェルチャミー・サンカーリンガム氏は、「APACでは企業のAI活用が実験段階を越え、生産性や協働、顧客体験の改善へ移りつつある」と説明。複数の市場や言語をまたいで事業を展開する企業が多い同地域では、会話から行動まで文脈を維持する仕組みの効果が大きいとの見方を示した。

Zoom Communications Chief Product(最高製品責任者) Officer Russell Dicker(ラッセル・ディッカー)氏
最高製品責任者(CPO)のラッセル・ディッカー氏は、「多くの企業は、会話を記録する方法を確立した。より難しいのは、その後に何が起きるかだ」と指摘。「会話は自然に行える。仕事を完了することも、同じように自然であるべきだ」と説明した。
会議の決定事項を動的な知識へ 40超の外部アプリも検索
会議で決まった内容や担当者、顧客の状況は、議事録やチャット、CRM(顧客関係管理)など複数の場所へ分散しやすい。AIエージェントが作業するたびに、文書や会話記録を読み直す必要もあった。
Unified Context Layerは、会議や電話、チャットから得られる動的な会話情報と、社内文書に蓄積された知識、外部システムにある業務データを統合する。人物、話題、意思決定、関係性などを関連付けたグラフをほぼリアルタイムで構築し、AIエージェントが必要な文脈を参照できるようにする。

Zoom Communications Head of Product,Solutions, & Industry Marketing(プロダクトソリューション&インダストリーマーケティング責任者) Leo Boulton(レオ・ボールトン)氏
プロダクトソリューション&インダストリーマーケティング責任者のレオ・ボールトン氏は、Zoomが従来から会議記録やチャット履歴を収集してきたとしたうえで、今回の違いは、それらを単なる保存データではなく、部門や製品をまたいで利用できる「動的な知識」へ変換する点にあると説明した。
ディッカー氏によると、社内ベンチマークでは、文書や会話記録を毎回解析するスタンドアロン型のAIモデルと比べ、処理コストを45~65%削減できたという。
Unified Context Layerを利用したエージェント型検索は、Zoom Meetings、Zoom Phone、Zoom Team Chatに加え、ServiceNow、Workday、Google Drive、Microsoft OneDriveなど40を超える外部アプリケーションを横断して情報を探せる。検索機能はすでに提供している。









