<連載>AIエージェントが迫る通信の新ルールAIエージェントの通信基盤 “動き方”からネットワークを再設計

AIエージェントが及ぼすトラフィックの変化をネットワークはどう受け止めるか。帯域の増強だけでは足りない。どこにどれだけ流れ、どこで何が動いているかを踏まえた全体設計が求められる。

AIエージェントは、人間の勤務時間や生活のリズムに縛られず、目的を達成するまで推論と外部アクセスを機械の速度で繰り返す。ネットワークが向き合うべきは、瞬間的なピークではなく、閑散期が薄れて、水準が底上げされて長時間続く通信だ。その水準は業務状況によって変動するため、あらかじめ大容量を確保しておけば済むという単純な話でもない。

シスコシステムズ 執行役員 アジアパシフィック・ジャパン・チャイナ地域 ネットワーキング事業 統括の高橋敦氏は、AIエージェント時代のネットワークについて、「トラフィックの量だけでなく、性質も変わるので、より高い耐障害性、可視化、品質保証、そして経路のセキュリティが必要になる」と話す。

シスコシステムズ 執行役員 アジアパシフィック・ジャパン・チャイナ地域 ネットワーキング事業 統括 高橋敦氏

シスコシステムズ 執行役員 アジアパシフィック・ジャパン・チャイナ地域 ネットワーキング事業 統括 高橋敦氏

「トラフィックが増えたから帯域を増やす、といった単純な対応では追いつかない」と指摘するのはF5ネットワークスジャパン CTOの丸瀬明彦氏だ。丸瀬氏が課題に挙げるのは、多くの企業がそもそも自社のAPIやAIエージェントの通信がどれだけ増えているかを把握できていないことだ。「まず通信を可視化し、どんなAPIやAIエージェントが動いているかを発見することが直近の課題になる。そして、内容を精査したうえで抑えられる通信は抑える仕組みが必要だ」

F5ネットワークス ジャパン CTO 丸瀬明彦氏

F5ネットワークス ジャパン CTO 丸瀬明彦氏

ネットワンシステムズ ビジネス開発本部 イノベーション推進部 ビジネス開発チーム エキスパートの片山千穂子氏も、「常に大容量のトラフィックが通ることを前提に帯域を確保するよりは、帯域を監視しながら増減できる仕組みを取り入れた方がいい」と述べる。

これらを踏まえると、回線やWAN、バックエンド、CDNやWeb/API基盤などを個別に増強するのでは不十分ということになる。AIやデータの配置、重要な通信経路まで含め、ネットワーク全体を一体として設計することが求められる。

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