NTTが「EBITDA4兆円」を2030年度へ延期 環境変化によるモバイル事業の減益が影響

NTTが2025年度決算を発表した。連結業績は増収増益だったが、NTTドコモグループによる総合ICT事業は顧客基盤の強化やネットワーク品質改善に向けた施策に伴うコスト増が響き、大幅な減益となった。これを受け、「連結EBITDA4兆円」という目標の達成時期を、2027年から2030年度へ後ろ倒しする。

NTTは2026年5月8日、2025年度決算を発表した。2025年度の営業収益は前年度比5.1%増の14兆4091億円、営業利益は同3.4%増の1兆7062億円の増収増益となり、営業収益は過去最高を達成した。

2025年度連結決算について説明したNTT 代表取締役社長 社長執行役員 島田明氏

セグメント別に見ると、NTTデータグループによるグローバル・ソリューション事業と、NTT東西が担う地域通信事業はいずれも増収増益だった。一方、NTTドコモグループを対象とする総合ICT事業は、金融事業などの成長により増収となったものの、顧客基盤の強化やネットワーク品質改善に向けた施策に伴うコスト増が響き、大幅な減益となった。

セグメント別の状況

これを受け、2023年5月に公表した中期経営戦略の一部見直しを実施。「連結EBITDA4兆円」の達成時期を、2027年から2030年度へ後ろ倒しする。代表取締役社長 社長執行役員の島田明氏は、「顧客基盤の強化やトラフィック増大への対応といったモバイル事業の環境変化により利益が減少したことで、2025年度の連結EBITDAは想定を下回る水準となっており、2027年度の目標達成が難しい状況になった」と説明した。

中期財務目標を見直し

2030年度の連結EBITDA4兆円達成に向けては、国内法人向けAIビジネスや、データセンターを軸とした海外事業、金融事業を中心とするパーソナルビジネスなどの成長領域を強化する方針だ。今年4月に発表した次世代AIインフラ構想「AIOWN」(参考記事)についても、成長戦略の柱の1つとして位置付ける。

2026年度の業績予想に関しては、営業収益は2025年度比4.5%増の15兆600億円、営業利益は同0.2%増の1兆7100億円を見込む。うちNTTドコモグループの総合ICT事業については、金融事業などの成長分野で顧客基盤の強化に向けた施策コストを吸収し、増収増益を目指す。

2026年度業績予想

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