ソフトバンクとAGCは2026年3月19日、6G時代を見据えて、簡素化・省電力化に対応した新たな構成の基地局アンテナ「機能性ビーム成形レンズアンテナ」開発したと発表した。

機能性ビーム成形レンズアンテナの特徴
今回開発した機能性ビーム成形レンズアンテナは、AGCのメタサーフェスレンズ(薄い基板上に微細な構造を並べることで、電波の進行方向や広がりを自在に調整できる技術)の採用により、垂直方向のビーム成形に必要なアンテナ素子数を従来比で8分の1以下に削減。消費電力も最大8分の1に低減できるため、ヒートシンク(冷却部品)の小型化・軽量化を実現可能だという。
また、垂直方向のビームについては、ソフトバンクの通信エリアおよびアンテナビーム設計技術に基づき、基地局と端末間の距離にかかわらず通信品質を一定に保つことができる「コセカント2乗ビーム特性」を採用。水平方向のビームについては、メタサーフェスレンズが水平方向のビームフォーミングを阻害しないよう微細構造の設計を工夫することで、アレーアンテナからの電波放射と動的なビーム制御を維持できるという。

機能性ビーム成形レンズアンテナの試作品
ミリ波(29.7GHz)を利用した実証実験では、基地局を想定した機能性ビーム成形レンズアンテナと、ユーザー(端末)を想定したダイポールアンテナの間の距離を変えて5G信号を伝送。SNR(信号対雑音比)を測定して通信エリアの形成を確認するとともに、16QAM(信号の振幅と位相を変化させることで16通りの状態を作り、それぞれにデータを対応させて伝送する方式)の受信信号分布により通信品質を評価した。
その結果、アンテナ間の距離にかかわらず、測定したほぼ全ての場所で15dB以上の安定したSNRが得られることを確認。また、受信信号分布も乱れることなく16個の位置を明確に区別できており、通信が安定していることを確認した。機能性ビーム成形レンズアンテナを用いることで、従来のMassive MIMOアンテナと同程度の品質で安定した通信エリアを形成できるとしている。













