総務省は宇宙関係予算として、令和7年度補正予算で1824億円、令和8年度予算案においては86.7億円を計上している。我が国の宇宙通信分野のさらなる発展に向け、宇宙戦略基金等を通じた技術開発支援・産業育成や、低軌道衛星通信サービスの自律性確保に向けたインフラ整備支援等を推進するのが目的だ。
なかでも最大の予算を計上するのが「自律性確保に向けた低軌道衛星インフラ整備事業」である。宇宙戦略基金の実施方針策定や総務省において重点的に取り組むべき宇宙通信政策への助言を行う「宇宙通信アドバイザリーボード」(参考記事)の第8回では、令和7年度補正予算で1500億円を計上する同事業の具体的な内容と意義について事務局から説明がなされた。
令和7年度補正予算および令和8年度予算案における総務省宇宙関係予算
「低軌道衛星インフラ」とは、高度約2000km以下の地球低軌道に多数の小型衛星を打ち上げて連携させ、通信や地球観測等のサービスを提供するシステムのこと。いわゆる低軌道(LEO)コンステレーションだ。
SpaceXのStarlinkやAmazonのProject Kuiper(ブランド名:Amazon Leo)など複数のLEOコンステが存在しており、日本国内でもStarlinkを活用した衛星通信サービスが利用可能だが、そのインフラは海外事業者に依存している状況にある。この海外依存から脱却し、国民生活に不可欠な通信サービスを自らコントロール可能な状態で確保することが、低軌道衛星インフラ整備事業の目的だ。
事務局が特に重要なサービスとして挙げたのが、普段使用しているスマートフォンで衛星と直接通信する「スマホダイレクト通信」である。スマートフォンの利便性を高めるための重要な基盤であり、日本国内で運用・管理される独自のインフラを持つことで、サービスの自律性を確保する必要があると指摘。また、宇宙分野でのデュアルユース(民生・防衛の両用)が進むなか、安全保障および経済安全保障を確保する観点からも、日本独自のLEOコンステ構築の必要性を強調した。














