6GHz帯の無線LAN利用が解禁されて早3年。既存の2.4/5GHz帯よりも広い帯域で、混信や電波干渉の少ない安定した通信が可能な「Wi-Fi6E」が法人市場にも浸透し始めた。2026年からはいよいよ最新規格「Wi-Fi 7」の導入検討も本格化しそうだ。
仕事を含めて日常生活でWi-Fiを使わない日はなく、ビジネスでも重要な通信インフラとなった。企業のネットワーク担当者や、Wi-Fiをベースにアプリケーション/サービスを提供する事業者にこれから求められるのは、6GHz帯の特性やWi-Fi 7の新機能をビジネスに活かすことだ。 アクセスポイント(AP)とPC/スマートフォン等の端末の6GHz帯対応も着実に進展している。
法人向けPCは8割超がすでにWi-Fi 6Eに対応済みと言われており、ハイエンドモデルを中心にWi-Fi 7対応も進んでいる。6GHz帯チップを搭載する分、Wi-Fi 6よりもコストは割高だが、6E対応APは“エントリーモデル”“ローエンドモデル”も充実してきた。法人向けで6万円を切るAPも登場するなど、6GHz帯はかなり身近な存在となった。
2026年以降、Wi-Fi 7のエントリークラスも充実してくれば、Wi-Fiはトライバンド(2.4GHz/5GHz/6GHz)の同時利用を前提に設計・構築する時代へと移る。6GHz帯の使い方を理解することは、Wi-Fiの導入効果を高めるうえでの必須要件となる。
6GHz帯の活かし方
改めて、6GHz帯の利点を整理しよう。
最大の特徴は帯域の広さだ。6GHz帯(5.925~6.425GHz)だけで、既存の2.4GHz帯と5GHz帯を合わせた帯域幅(543MHz)とほぼ同等の500MHz幅がある。5GHz帯では電波干渉やDFS(動的周波数選択)による制約から使うのが難しかった160MHz幅の高速通信が利用しやすい。
DFSは、気象レーダー等との電波干渉を回避するために5GHz帯のチャネルを自動的に切り替える機能だ。これが動作すると接続が一時的に途切れることがあるが、6GHz帯ではそんな心配はない。5GHz帯で必須のDFSが不要なことは、使い勝手や安定性の向上にも大きく貢献する。
また、20MHz幅が24チャネルも利用できるため、電波干渉を避けるためのチャネル設計もしやすい。多くの端末が集まる場面でもデータ量の多いアプリを快適に使えるようになる。加えて、2.4/5GHz帯と比べて周波数を共用するシステムが少ないことも、6GHz帯の利点だ。
これらの特徴は、通信速度だけでなく通信遅延の短縮、そして遅延のゆらぎが少ない低ジッターにもつながる。映像伝送やVR/ARといったリアルタイム性が要求されるアプリケーションがより安定した状態で使えるのだ。 こうした特性から、6GHz帯を活かすべき場面が見えてくる。特に注目したいのが「低遅延」と「多端末(高密度)」の2つのキーワードだ。どちらもこれまでWi-Fi が苦手としてきた要素であり、これを改善できるところにWi-Fi 6E/7の最大の価値がある。













