
エリクソン・ジャパン チーフ・テクノロジー・オフィサー 鹿島毅氏
エリクソン・ジャパンは2025年12月9日、世界のモバイルネットワークの動向と5GによるエンタープライズITの変革に関する記者説明会を開催した。5G契約数は2031年には64億件、6G契約数は1億8000万件に達する見込みだ。
エリクソン・ジャパン チーフ・テクノロジー・オフィサーの鹿島毅氏によると、特に5G SAは、すでに90社以上の通信事業者がサービスを開始しており、2031年の加入数は41億件以上に達すると予測している。また、AI、クラウド、モバイルの融合によるアップリンクトラフィックが今後急増し、「AIグラスやスマートフォンがカメラ映像や音声データを常時クラウドに送信し、クラウド上のAIがリアルタイムで分析・学習してユーザーごとに最適化されたサービスを提供する」と説明。AIグラスやAI対応デバイスの普及、スマートフォン上のAIアシスタント、さらに自動運転車や人型ドロイドの登場が、段階的にアップリンク増加を牽引するという。

テクノロジー別のモバイル加入の予測
5G FWAが成長、ゲーム専用回線など用途別サービスも
FWA(Fixed Wireless Access)契約数は米国とインドで成長が見られ、2031年までに3億5000万件に達し、5Gが90%を占める見込みだ。速度ベースの料金プランを導入する事業者の割合は2024年から2025年の1年間で43%から54%に増加し、5G FWA事業者の70%がこの料金体系を採用。「消費者に理解されやすいサービス体系が広がっている」と鹿島氏は述べた。
ネットワークスライシングによる差別化された接続サービスも進展しており、グローバルで118件、うち商用化が65件に達した。シンガポールのSingtelでは、ゲーム専用の5Gネットワーク回線を提供し、プレイヤーの操作データなど遅延が許されないデータを優先的に送信することで、オンラインゲームの遅延を軽減しているという。鹿島氏は「ゲームや動画など、用途に合わせて最適化されたネットワークサービスを提供することが、今後の差別化につながる」と強調した。












