アルバネットワークスは2012年12月18日、モビリティコントローラーの最上位モデル「Aruba 7200シリーズ」を発表した。IT部門が現在直面している「ニューノーマル」への対応を可能にするという。
アルバのいうニューノーマルとは、スマートデバイスの普及が引き起こしている以下のスライドに示した現実だ。デバイスの選択権はIT部門からエンドユーザーに移行し、様々なアプリが無線で利用される。また、仕事とプライベートの境界もなくなりつつある。
アルバがいう「ニューノーマル」の概要 |
「世界では現在、毎秒25台のスマートデバイスが販売され、1秒当たり145のモバイルアプリがダウンロードされている。こうしたニューノーマルによって、ネットワークの要件も変化している。あらゆるユーザー企業から要求されているのは、『どうしたらワイヤレスの体験を改善できるのか』ということだ」(米Aruba Networksのマナヴ・クーラナ氏)
そこでアルバが新たに投入するのがAruba 7200シリーズになるという。
モバイルアプリのQoS制御を実現
Aruba 7200シリーズは前述の通り、同社のモビリティコントローラーの最上位モデルとなるもの。最大2048のアクセスポイント、3万2768のデバイスを管理できる。日本法人の取締役社長である松本洋一氏はそのスケールについて、「世界最大のオフィスといわれているペンタゴンも、7200シリーズ1台でカバーできる」と表現した。
Aruba 7200シリーズの主な特徴 |
Wi-Fiのパフォーマンスを改善する新機能「Aruba AppRF」の搭載も重要なポイントである。これは、無線LAN空間上のトラフィックをレイヤ7で可視化し、QoS制御を可能にする機能。「仕事上のアプリに対してはよりたくさんの帯域を確保し、個人用のアプリはベストエフォートにするといったことができる」とクーラナ氏は説明した。なお、同社の従来機種についてもOSのアップデートによりAruba AppRFに対応できるという。
Aruba AppRFの概要 |
さらに、米マイクロソフトのユニファイドコミュニケーション(UC)製品であるLyncのパフォーマンスを最適化できることや、IEEE802.11acのサポートなども強調された。
Aruba 7200シリーズの価格は最小構成(Aruba 7210)で306万円~。すでにペンシルバニア大学で評価が始まっているほか、日本国内では東京大学の採用が決定しているという。