楽天モバイルが「オープンRANラボ」を公開 5G RANの頭脳「RIC」も全国展開へ

楽天モバイルが、同社の技術検証施設「楽天クラウドイノベーションラボ」を公開した。Open RANに関する研究開発・実証を、国内外の通信事業者や学術機関と連携して進めているという。また、2025年内にRIC(RAN Intelligent Controller)を楽天モバイルのOpen RAN商用ネットワークへ本格展開し、20%の消費電力削減を目指している。

楽天モバイルは2025年9月25日、同社の技術検証施設「楽天クラウドイノベーションラボ」をメディア向けに公開した。

2019年2月にオープンした同ラボでは、楽天モバイルの完全仮想化ネットワーク環境を再現し、国内外の通信事業者や通信機器ベンダー、学術機関などとOpen RAN(O-RAN)に関する技術検証を行ってきたという。

「他の通信事業者のラボは、基地局や端末、コアといった要素ごとに検証環境が分かれているが、このラボではこれらを一括して検証できる」と先端技術開発統括部 イノベーションプログラム開発事業部 ジェネラルマネージャーの朽津光広氏は語った。

楽天モバイル 先端技術開発統括部 イノベーションプログラム開発事業部 ジェネラルマネージャー 朽津光広氏

楽天モバイル 先端技術開発統括部 イノベーションプログラム開発事業部 ジェネラルマネージャー 朽津光広氏

ラボの屋上にはO-RAN構成の基地局が設置されており、4G/LTE・Sub6・ミリ波用のアンテナ・無線機がそれぞれ配置されている。なお、4G/LTEはノキア製、Sub6はNEC製、ミリ波は米エアースパン製だ。また、「都市部では高性能なアンテナを使用するケースが多いが、地方部では廉価なアンテナを使用することで、コストを最大1/3にまで削減できる」(朽津氏)という。

ラボの屋上に設置されたO-RAN構成の基地局

屋内には、上段にRRH(Remote Radio Head:無線の送受信部)、下段にRIU(Radio Interface Unit:異なるインターフェース間を変換する装置)を配置した「4G基地局設備エリア」や、大量の無線トラフィックを発生させることが可能な「シミュレーターエリア」などがある。ここでは、大勢の人が集まるイベント会場を模擬し、こうした環境下でも端末が安定して動作するかどうか、実証を行っているそうだ。

4G基地局整備エリアには、RRH(Remote Radio Head)とRIU(Radio Interface Unit)を配置

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