エヌ・シー・エル・コミュニケーション(NCLC)は2012年8月28日、NTTデータとOpenFlow/SDNソリューションで提携すると発表した。
NCLCは今年4月から販売している米Pica8社のOpenFlow対応スイッチに、NTTデータの統合システム管理ツール「Hinemos」の「仮想ネットワーク管理オプション」をOpenFlowコントローラーとして組み合わせ、ホップ・バイ・ホップ方式の仮想ネットワークソリューションを提供していく。
NCLCの仮想ネットワークソリューションの概要 |
NCLCでは現在、大学・データセンターを中心に16サイトでOpenFlowの実証実験・試験導入を進めているというが、「その大部分はオープンソースのOpenFlowコントローラーを使ったプロジェクト。エンタープライズなどで利用するには、Hinemosのような本格的なコントローラーが必要になる」とNCLC 代表取締役社長の関根尚氏は説明。今回のNTTデータとの提携を機に、NCLCはOpenFlowを活用した仮想ネットワークソリューションの展開に一段と力を入れていくことになる。
関根氏によれば、NCLCのソリューションには3つの特徴があるという。1つめはPica8社のスイッチとの完全連携だ。「メジャーメーカーの同クラスのスイッチと比較して、安いところでは20%、高くても大体60%。SDNのそもそものコンセプトは、OpenFlowコントローラーとコモディティスイッチによる新しいネットワークアーキテクチャ。業界革新的な価格であるPica8のスイッチとの連携により、SDNの世界にふさわしいコモディティ化を実現している」
Pica8社のOpenFlow対応スイッチの特徴 |
2つめは、Hinemosの活用だ。NCLCではコンサルティングと共に提供していくという。
そして最後の特徴は、OpenFlow/SDNアプリの開発である。今回NCLCが提供するのは仮想ネットワークソリューションだが、OpenFlow/SDNには他にも様々な可能性が期待されている。
「1つはグーグルもやっている、マルチパスによる帯域幅増大などのトラフィックエンジニアリング。また、ロードバランサーやファイアウォール、変わったところではメディアコンバーターやパッチパネルなどL1スイッチのエミュレーションの実現も挙げられる」と関根氏は話したうえで、今後Hinemosのプラットフォーム上でこうした機能を実現するOpenFlow/SDNアプリを開発していく方針を明らかにした。
NCLCではOpenFlow/SDNアプリの開発にも力を入れていく |
会見にはNTTデータ 基盤システム事業本部 システム方式技術ビジネスユニット 第二技術統括部 第二技術担当 課長代理の大上貴充氏もゲストスピーカーとして登壇。同氏は「OpenFlowについては、いろいろな“幻想”があるが、その“実現”に関しては道半ばというのが現状。NCLCには、革新的なネットワークアプリケーションの開発を期待している」と語った。
NCLCによるHinemosの提供価格は、「仮想ネットワークオプション」と「VM管理オプション」もセットで初年度620万円~、次年度290万円~。また、Pica8社のスイッチは33万円~となっている。
NCLCの仮想ネットワークソリューションの価格 |