NTTコミュニケーションズ（NTT Com）は2025年6月27日、ドローンポート「Skydio Dock for X10」と衛星通信サービス「Starlink Business」を組み合わせ、岐阜県の長良川河口堰においてレベル3.5飛行による完全無人の遠隔点検に成功したと発表した。
長良川河口堰を巡視飛行するSkydio X10
今回の実証実験では、南海トラフ地震などの大規模災害発生時を想定し、東京から約300km離れた現地施設を遠隔監視するシナリオで実施された。現地には人員を派遣せず、Skydio製ドローンの自動離着陸や充電を可能にするドローンポートを活用し、東京のオフィスから飛行指示を出してドローンを運用した。通信インフラには、災害時でも通信確保が期待できるStarlinkの衛星回線を用いた。
実証の概要
NTT Comによれば、ドローンの飛行距離は目視内飛行を含め37kmにおよび、河川管理施設の状況確認を安定して行えたという。Skydio Dock for X10の遠隔操作性と、Starlinkの可用性を組み合わせることで、ネットワークが寸断された環境下でも施設の安全点検が可能となることを実証した形だ。同実証の模様はYouTubeで視聴可能（リンク）。
遠隔監視画面
同社は今後、公共インフラ分野でのドローン完全無人運用に向けた社会実装を進める方針。ユーザー自身による遠隔操作や無人巡回の導入支援を強化し、熟練パイロット不足といった課題に対応する。さらに、2025年夏に提供予定の「LTE上空利用プラン」では、パケット優先制御機能によって安定した映像品質を確保し、ドローン活用をより推進する考えだ。
