HTCとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2025年6月26日、ロケーションベースエンターテインメント(LBE)を活用した新たなエンターテインメント事業の展開に向け、基本合意書を締結したことを発表した。
LBEを活用したエンターテインメントのイメージ
LBEとは、特定の場所で提供されるXR(クロスリアリティ)などの体験型コンテンツを指す。近年、国内ではプロスポーツやコンサートに使われる大型アリーナの建設が進む一方で、イベントがない日の収益化や施設の持続的な運営が課題となっている。両社は、LBEを活用することで、施設の大規模改修をせずに多様なイベントを実現し、地域の経済活性化にもつなげる考えだ。
今回の提携では、LBEデバイスで世界的シェアを持つHTCが、軽量で高解像度なXRゴーグルや3Dコンテンツなどを提供。一方NTT Comは、施設側にネットワークソリューションを提供するとともに、イベントの主催やコンテンツ企画、プロモーション、運営体制のパッケージ化などを担う。
NTT Comは5月に社内にエンタメ推進プロジェクトを立ち上げており、今後はアニメやゲームなどのIP(知的財産)を有する企業や地方自治体との連携も視野に入れる。2030年までに500億円規模の事業創出を目指すとしており、将来的にはIOWNや触覚伝送などの先端技術を活用し、複数施設を接続した没入型のイベント展開も構想している。
両社によるLBEイベントは、コンテンツ開発や会場の調整が完了次第、順次開催を予定しているとのことだ。