26GHz帯の電波オークション、実施方法を検討へ 総務省が作業班設置

総務省は2025年6月25日、情報通信審議会 情報通信技術分科会 電波有効利用委員会の第3回会合を開き、「価額競争の実施方法に関する検討作業班」の設置を決めた。

この作業班では、電波オークションの実施方法について検討し、今秋を目途にとりまとめを行う。主任には、電波有効利用委員会の主査を務める電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター 教授の藤井威生氏が就く。第1回会合は7月16日に開催される予定だ。

電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター 教授の藤井威生氏

「価額競争の実施方法に関する検討作業班」の主任には、電気通信大学 先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センター 教授の藤井威生氏が就任する

40GHz帯は早期利用意向なし、26GHz帯を中心に検討

今年4月、電波法及び放送法の一部を改正する法律が公布され、いよいよ日本でも電波オークションが導入されることになった。ただ、国内初の電波オークションには、いくつかの課題が立ちはだかる。その1つが、オークション対象の周波数が、世界的に普及が進んでいないミリ波であることだ。

総務省は5G用の新たな周波数として、26GHz帯と40GHz帯を割り当てる計画だが、6月18日まで実施された両周波数の利用意向調査では、「40GHz帯については、早期に利用したいという回答が十分に得られなかった」(総務省)。このため作業班でも、「40GHz帯は特に希望がなかったということで、26GHz帯を中心に議論することになると思う」と藤井教授は述べた。

26GHz・40GHz帯における5G利用意向調査の結果概要(速報版)

26GHz・40GHz帯における5G利用意向調査の結果概要(速報版)

電波オークションが活性化するかどうかは、その実施方法に加えて、ミリ波の利用環境整備が進むかどうかにも左右されるだろう。

同日の会合では、NTTドコモやソフトバンクなどへのヒアリングも行われた。電波オークションそのものが議題ではなかったものの、両社はともにミリ波に関連して、より柔軟かつ迅速な置局を可能とする制度見直しを要望。さらにNTTドコモは、「ミリ波搭載のインセンティブとなるような端末ベンダーへの直接的な政策的支援」の必要性も訴えた。

ミリ波の主なユースケースは、高トラフィックエリアでのスポット的な活用である。イベント会場など、一時的に高トラフィックが発生する場所で、可搬型や移動型基地局をより機動的に運用できるようになれば、ミリ波の利用価値はさらに高まる。

また、ミリ波の整備が遅れている背景には、対応端末が依然限られているという課題もある。「どういった支援があれば、端末メーカーがミリ波をより載せていこうとなるのか。端末メーカーとのコミュニケーションが必要だ」とNTTドコモは話した。

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