トラックやバス、タクシーなど運送事業者には、車両の安全走行や事故防止などの観点から「点呼」業務の実施が法律で義務付けられている。出発前には運転免許証の確認やアルコールチェック、帰社後も運行中に発生した事故・異常の報告、健康状態の再確認などが求められる。
ただ、運行管理者とドライバーが直接顔を合わせる「対面点呼」を行うには、各拠点へ点呼担当者を配置する必要があり、人件費や労働負担が大きくなる。特に夜間や休日等の運行の際には人員の配置が難しい。
そこで注目が集まっているのが、「IT点呼」である。ドライバーはパソコンなどの画面に表示される案内に従って操作するだけで、簡単に点呼を受けられる。遠隔から点呼を実施できるため、運行管理者の負担軽減にもつながる。
AIロボットでIT点呼
このIT点呼ソリューションを提供する1社が、東海電子だ。同社の「e点呼セルフ」は、AIロボットを用いて点呼を実施できる点が大きな特徴だ。
具体的には、AIコミュニケーションロボット「Kebbi AI」の画面上に表示される案内に従い、画面をタッチしていくだけで簡単に点呼を行える。同社が提供する飲酒検査デバイスや免許証認証デバイス、血圧計などの機器とはBluetoothを通じて連携可能だ。
アルコール検知器をはじめとする東海電子の各種デバイスは、すでに多くの企業に導入されているが、こうしたデバイスを活用しつつ、新たに追加する機器を最小限に抑えながらIT点呼を始められる点も強みだとした。
「e点呼セルフ」を用いたIT点呼のイメージ
月額1万円台で利用できるIT点呼システムも
テレニシが提供する総合クラウド点呼システム「IT点呼キーパー」は、直感的に操作できるシンプルさが売りで、パソコンに不慣れな社員でも容易に点呼が実施できる。免許証認証デバイスやアルコール検知器などは、USBケーブルやBluetoothを介してつなぐことができる。
もう1つ、IT点呼キーパーの注目すべき点はその価格である。初期費用11万円、1拠点あたり1万1000円(いずれも税込)という手頃さでIT点呼を始められる。
「IT点呼キーパー」を用いたIT点呼のイメージ
なお、東海電子・テレニシのブースでは、IT点呼を無料体験できるデモも実施中だ。