MCデジタル・リアルティ(MCDR)は、25カ国に300超の拠点を持つデータセンター大手の米Digital Realtyと三菱商事の合弁により2017年に設立された。現在、国内で計8棟のデータセンターを運用しており、サーバー用電源容量は168MWに及ぶ。国内データセンター市場におけるリーディングカンパニーの1社だ。
Digital Realtyのグローバルデータセンター拠点
そのMCDRが2024年12月16日に記者説明会を開催し、2024年を振り返るとともに、2025年以降の市場を展望した。
調査会社のIDC Japanによれば、国内データセンター市場はAI需要が牽引し、2023年の約2.7兆円から2028年には5兆円規模へと成長する見込みだ。この旺盛な需要を背景に、MCDR 代表取締役社長の畠山孝成氏は「近い将来に(電源容量ベースで)倍増に近い規模へ事業を拡張できる」と見通しを述べた。
MCデジタル・リアルティ 代表取締役社長の畠山孝成氏
具体的には、首都圏と関西に4つずつ保有するデータセンターをそれぞれ200MWクラスに拡大。東京と大阪どちらも倍増していけると考えている」(同氏)という。
エヌビディアから“AIデータセンター認証”を取得
MCDRのデータセンター事業の特徴として畠山氏が挙げたのが次の2つ。1つが、エヌビディアによる「DGX-Readyデータセンター」認証の取得である。大阪府茨木市・箕面市のKIX13、千葉県印西市のNRT10/NRT12の計3棟が取得している。
「DGX」はエヌビディアが提供するAI/ディープラーニング向けプラットフォーム「NVIDIA DGX Systems」のこと。上記の認証はAIデータセンターインフラを構成する「NVIDIA DGX H100」「NVIDIA DGX SuperPOD」「NVIDIA DGX H100 SuperPOD」に対応する高度な電源設備や冷却設備、レイアウト、通信インフラ等を備えるデータセンターが取得できるもので、いわば「AIデータセンター」としてのお墨付きと言える。