「BYODがコンセプト!」、NTTソフトがメールも電話帳も端末に残さない“業界初”のAndroidアプリ

通話履歴や電話帳データに加えて、メールも端末にはデータを残さない――。NTTソフトウェアがスマートフォンで安全に電話とメールの両方を活用するためのAndroidアプリを発表した。BYOD(個人端末の業務利用)での活用が強く意識されている点も大きな特徴だ。

NTTソフトウェアは2011年12月8日、メール内容や通話履歴、電話帳のデータをスマートフォンに残さないことで、メールや電話を安全にスマートフォンで利用できるというアプリを発表した。同社のオフィス向けソリューション「ProgOffice セキュアオフィスシリーズ」の新オプションとして2012年春から販売を開始する予定。

NTTソフトウェアでは、すでに今夏から通話履歴と電話帳データをスマートフォン上に残さない「ネットワーク電話帳」のAndroidアプリを提供しているが、これはさらにメール機能も追加したもの。メールと電話の両方について統合的に、データを端末に残さないことで情報漏洩リスクを回避できるアプリは「業界初」(プロモーション部門長の渡辺浩一氏)だという。また、個人端末を業務で利用するBYOD(Bring Your Own Device)に関する議論が最近活発になっているが、「BYODをきちんとできるというのがコンセプト」と技術イノベーション部門長の生駒勝幸氏は説明した。

NTTソフトウェア プロモーション部門長 渡辺浩一氏 同 ソリューション営業部門長 小牧徳夫氏 同 技術イノベーション部門長 生駒勝幸氏
NTTソフトウェア プロモーション部門長 渡辺浩一氏 同 ソリューション営業部門長 小牧徳夫氏 同 技術イノベーション部門長 生駒勝幸氏

発信相手情報のポップアップ表示も可能に

会見ではデモも交えて、このアプリの利用イメージが説明された。まず電話の発信だが、アプリを起動するとネットワーク電話帳にアクセスし、その電話帳から連絡を取りたい相手に発信できる。デモではネットワーク上のアドレス帳が表示されるまで、若干の時間がかかっていたが、操作方法自体はスマートフォンでの通常の電話発信と変わらず、「社員には負担がない」(生駒氏)という。

ネットワーク電話帳の仕組みと機能
ネットワーク電話帳の仕組みと機能

電話発信は、ProgOfficeのPBX機能と連携したV字発信の仕組みにより行われる。このため、「個人の端末であっても、通話料は自動的に会社に課金される。また、相手側には、会社の電話番号が表示されるので、個人の電話番号を知らせないで済む」(生駒氏)のもポイントだ。

また前述の通り、ネットワーク電話帳の機能は今夏から提供が始まっているが、今回発表されたアプリでは、着信時の機能が強化されている。携帯電話やスマートフォンでは通常、着信時に発信相手の名前が表示されるが、同アプリでは従来、発信相手の名前を表示することができなかった。端末内に、電話帳データを持っていないためである。しかし今回、着信時にネットワーク電話帳と連携することで、発信相手の名前をポップアップさせることが可能になっている。発信相手情報のポップアップ表示は、スマートフォンに直接電話がかかってきたケースと、オフィスにかかってきた電話の転送されてきたケースの両方で可能だ。

電話をかけてきた相手の情報のポップアップ表示が可能になり利便性が向上
電話をかけてきた相手の情報のポップアップ表示が可能になり利便性が向上

次に、新たに追加される「セキュアメール」の機能についてだが、端末にデータを残さずに、業務メールの閲覧や送受信が可能。また、添付ファイルについても、端末にデータを残さずに閲覧することができる。

メールも添付ファイルも端末にデータを残さずに閲覧できる
メールも添付ファイルも端末にデータを残さずに閲覧できる

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