「エッジクラウドで生成AIを速く安く」 Fastly CEO トッド・ナイチンゲール氏

2011年に創業したCDN事業者のFastlyは、1日に1.8兆リクエストを処理するまで成長した。エッジクラウド事業者への転換を進める同社が今、フォーカスするのが生成AIだ。「速くて安いAI」の実現を後押しする。

Fastly CEOのトッド・ナイチンゲール氏(Todd Nightingale)

Fastly CEOのトッド・ナイチンゲール氏(Todd Nightingale)。2022年に現職に就任する以前は、シスコシステムズでExecutive Vice President 兼 General Managerとして、Enterprise Networking and Cloud事業を率いた

――FastlyはCDN事業者からエッジクラウド事業者への転換を進めています。この取り組みにおいて重要視していることは何ですか。

ナイチンゲール CDNからスタートしたFastlyは常に、高速かつ安全で、エンゲージメントの高い配信を実現することに注力してきました。その既存のオファーを拡大しつつ、“統合されたプラットフォーム”を提供することが何よりも重要です。

これまで様々な機能を追加してきていますが(図表)、単一のプラットフォーム上で利用できることによって、お客様は簡単にそのメリットを享受できます。例えばセキュリティ機能について、最初にDDoS対策を開発・実装した後、買収により次世代WAF機能を追加、この4月には自社開発したボット管理も追加しました。肝心なのは、自社開発したものも買収で加えたものもすべて統合すること。ユーザーエクスペリエンスもAPIも単一であることです。

図表 Fastlyの単一統合プラットフォーム

図表 Fastlyの単一統合プラットフォーム

顧客はエッジコンピューティングの能力やオブザーバビリティ(可観測性)も同じプラットフォーム上で利用できます。これにより、開発者の方々と共にインターネット上でベストなデジタルエクスペリエンスを提供することが、Fastlyの目標です。

――競合他社と比べたFastlyの強みは。

ナイチンゲール CDN業界のAkamaiとCloudflareのほかにも、エッジクラウドを提供する競合は数多くいます。

彼らとの違いという意味で、Fastlyが最も誇りに思っているのがパフォーマンスの高さです。特に、リアルタイムユーザーの体験に直結する遅延は、競合より30~40%も抑えられています。

開発者のエクスペリエンスに関しても、他社より優れていると自負しています。我々のエッジプラットフォームはAPIで完全にコントロール可能であり、この上で開発したシステムを容易に自動化できます。リアルタイムのアナリティクスも簡単に利用できます。

セキュリティ機能についても、誤検知率の低さが高く評価されています。

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