NTTドコモと東京海上日動火災保険は2011年7月15日、携帯電話を使った新たな保険サービス「ドコモ 医療保険」「ドコモ ワンタイム保険(1日自動車保険)」の提供を開始すると発表した。
(左から)NTTドコモ代表取締役副社長の辻村清行氏、東京海上日動火災保険専務取締役の上月和夫氏 |
ドコモ 医療保険は、病気やケガで入院、手術をした場合に保険金が支払われる「ベーシックプラン」、がん・脳卒中・急性心筋梗塞に対する補償を厚くした「三大疾病重視プラン」、乳がん・子宮筋腫など女性特有の病気等に対する補償を厚くした「女性疾病重視プラン」の3種類から選ぶ。
現在約5200万人が加入している「ドコモプレミアムクラブ」の会員が対象で、月額料金はベーシックプランが20~24歳の場合820円となっている。また、ドコモの健康支援サービス「i Bodymo」との連携により、日常の運動量や食事管理に応じて月額最大150ポイントまでのドコモポイントが付与されるほか、東京海上日動グループが提供する「メディカルアシスト」による緊急医療相談などのサポートを受けることができる。
「ドコモ 医療保険」の申込画面 |
1日自動車保険は、友人や家族等の車を借りて運転するといった利用シーンを想定しており、必要な日数分だけ加入する。車両補償ありプランは1日あたり1000円、車両補償なしプランは同500円。レッカー搬送が利用できる「ロードアシスト」や、事故発生から24時間サポートする「事故現場アシスト」が利用できる。利用日数に応じて、車を購入する際に自動車保険を最大20%割り引く「1日自動車保険無事故割引」も提供する。
東京海上日動火災保険専務取締役の上月和夫氏によると、若年層の車離れが問題になる一方、免許取得率は85%程度と高い水準を維持している。自動車を所有していないと保険に加入していないことが多く、無保険車による自動車事項は年間10万件以上発生しているという。また、自家用自動車の保険契約の97%以上が年齢条件を設定しており、約8割が年齢条件を30歳以上に限定している。1日自動車保険は、こうした自家用車を持たない若年層に保険への加入を促す狙いがある。
開始時期は、医療保険が7月21日、1日自動車保険は10月となっている。いずれも当初はフィーチャーフォンにのみ対応するが、スマートフォンが急速に普及していることから、2011年度内にスマートフォンにも対応する予定。
ドコモと東京海上日動火災保険は昨年3月に包括的業務提携を締結し、保険の申込から料金の支払いまでが携帯電話で完結する「ドコモ ワンタイム保険」を同年4月から提供しており、30~40代を中心に契約数は約5万件に上る。NTTドコモ代表取締役副社長の辻村清行氏は、保険分野への事業展開の目的について「携帯電話の業務の対象をコミュニケーション以外に広げ、携帯の価値向を図りたい」と語った。