ソラコムのIoTプラットフォーム、三菱電機欧州法人の空調・暖房リモート管理システムに採用

ソラコムは2024年4月23日、三菱電機の欧州法人であるMitsubishi Electric Europe B.V.が、空調・暖房・熱回収・換気製品向けのクラウドベースの次世代型リモート管理システムである「MELCloud」にセルラー通信機能を追加するため、IoTプラットフォームSORACOMを採用したと発表した。

欧州では快適性を保ちながら、オンデマンドで気候に対応してエネルギーを節約できる空調・暖房システムへの需要が増加している。背景には、エネルギーコストの上昇や、EU域内排出量取引制度(EU ETS)に基づいた炭素国境調整メカニズム(CBAM)の導入、および新たな炭素価格設定のアプローチを含む脱炭素化への取り組みが加速していることが挙げられる。なかでも、従来の燃焼ボイラーに代わる効果的で省エネルギーな手段として、ヒートポンプ式温水暖房の需要が急増している。

MELCloudは、三菱電機のエアコン、暖房、および熱回収・換気システムの性能と効率を最適化する様々な機能を提供する。独自のインターフェースを通じて、PCやタブレット、スマートフォンからエアコンや暖房システムをリアルタイムで、または季節や週毎にプログラムを組んで遠隔操作できる。システムステータスの詳細、エネルギー消費量、温度、気流などの稼働データは、分析とシステム最適化のためにクラウドに送信され、詳細なログやエラー通知が利用可能。MELCloudは現在、欧州全域で利用可能であり、2023年末時点で約100万台が登録されているという。

「MELCloud」利用イメージ

SORACOM IoT SIMは、1枚で世界中の180以上の国と地域でセルラー通信を提供し、全世界で380以上のセルラーネットワークに対応している。欧州における広範なカバレッジや利用国内で異なる通信事業者の提供するセルラー通信を選べるマルチキャリアによる、信頼性の高いネットワークへのアクセス、強固なIoT通信接続管理プラットフォームであることが評価され、採用されたという。

SORACOMのセルラー通信機能が追加されたことで、マンションやアパート、市営住宅といった専用のWi-Fiが利用できない、ネットワークに接続しにくい、またはアクセスできない場所でもシームレスにサービスを利用することが可能となる。

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