KDDIと楽天は2011年6月29日、電子マネーを中心としたサービスの業務提携に向けて基本合意書を締結したと発表した。リアルとネットの融合を図った新しいコンセプトのサービス「Edy|au(エディエーユー)」の立ち上げを目指す。
(左から)KDDI代表取締役執行役員専務の高橋誠氏、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史、楽天常務執行役員の山田善久氏 |
今回の提携により、「auかんたん決済」(auの月額利用料金と一緒にコンテンツの購入代金などが支払える決済サービス)によるEdyチャージ機能を8月4日から提供開始する。従来はクレジットカードや現金で行っていたが、スマートフォンや携帯電話でチャージできることで利便性が高まる。また、9月27日からは、auスマートフォンだけを対象に「オートチャージ」機能も利用できるようになる。さらに今秋を目途に、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」にauかんたん決済を導入することも計画している。
今後、auとEdy双方の顧客のプロファイルや購買情報、位置情報などに基づき、クーポンの配信や商品レコメンド、タイムセール情報などリアル店舗への送客につながるサービスも検討する。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は「楽天と一緒に国内だけでなく海外にも出ていきたい」と意欲を見せた。海外展開によりNFCのノウハウを蓄積するとともに、楽天が海外展開する際にKDDIのデータセンターを活用してもらう狙いもあるという。
楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は「Online to Offline(O2O)の流れがマーケティングの概念を変えようとしている。auと組むことで、世界で最も進んだO2Oビジネスが展開できるのではないか」と語った。