NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2024年2月29日、顧客の通信インフラに対する高度化ニーズに対応した都道府県をまたぐ通信サービスである「APN(オールフォトニクス・ネットワーク)専用線プラン powered by IOWN」を3月1日より提供開始すると発表した。
APN専用線は、顧客の既存設備やニーズに合わせた多様な伝送プロトコルを収容可能なOTU4をUIに採用し、イーサネットやSDHなどの多重収容を可能にする。顧客の要望に応じて、NTT Comの国内70拠点以上のデータセンター間などをAPN専用線で接続することができるため、クラウド事業者やインターネットサービスプロバイダーなどの大容量バックボーンやプラットフォーム構築ニーズに、高い品質で対応できるという。
また、APN専用線と合わせて利用できる、遅延調整装置も提供開始する。
APN専用線と遅延調整装置を組み合わせることで、エンド・ツー・エンドでの遅延の可視化・調整が可能となる。これによりイベント開催で遠隔地にある会場間をリアルタイム映像で結び一体感を生み出す演出の実現や、遠隔地にある工場の精密な機械操作、多拠点からのCAD設計業務の連携、遠隔医療などでの活用が期待できるとしている。
NTT Comは2025年度内に、新たな通信設備の導入とSoftware-Defined技術の活用によって、さらなる大容量・低遅延・低消費電力通信を、迅速かつ柔軟に、リーズナブルな料金で提供できるAPN通信サービスを実現する。具体的には、400Gbps以上品目の提供やポータルによるオンデマンド増速機能などを順次提供する予定だ。
さらに、高発熱サーバー対応の超省電力データセンターである「Green Nexcenter」との接続を加速していくことで、生成AIなどのGPU利用に必要な電力量を大幅に削減した環境を提供し、グリーントランスフォーメーションの実現に貢献する。
また、APN通信サービスの特性を活かし、データセンター間通信の遅延値削減などによる地域へのデータセンター分散などのニーズに対応するという。