ドコモの通信品質改善は「90%以上完了」、アプリを活用した新たな改善策も

「つながらない」「遅い」など通信品質に対する不満の声が多く聞かれていたNTTドコモ。品質改善の取り組み状況に関する説明会を開催し、改善計画は90%以上完了したと発表した。d払いアプリの利用データを活用した、体感品質の把握に向けた新たな取り組みも始まっている。

NTTドコモは2024年2月2日、通信サービス品質改善の取り組み状況に関する記者説明会を開催した。

都市部を中心に通信品質の低下が指摘されていた同社は、2023年10月に集中対策による改善計画を発表した。12月までに90%以上を完了する予定だったが、「計画通り完了し、通信品質は大きく改善された」とドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長の小林宏氏は語った。

NTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長 小林宏氏

NTTドコモ 常務執行役員 ネットワーク本部長 小林宏氏

集中対策は「点」と「線」からなる。

「点」については駅や繁華街、住宅街など全国約2000カ所で対策を実施した。例えばJR大阪駅では、12月より5Gエリア化するとともに、4Gの設備を増設したり、アンテナの位置を変更するなどの対策を取った。また、JR名古屋駅では、9月から5Gエリアを拡充。4Gについてもエリアチューニングを行った。その結果、両駅ともスループットが向上し、最繁時でも不便なく利用可能になったという。

JR大阪駅やJR名古屋駅でも集中対策が取られた

JR大阪駅やJR名古屋駅でも集中対策が取られた

「線」については、乗降客数の多いJRや私鉄、地下鉄など全国の主要な鉄道動線に対し、アンテナの角度調整や出力調整、パラメーター変更など既存基地局を活用した対策を完了した。引き続き5Gと4Gの切り替え時間の高速化や設備増設などにより、さらなる品質向上に取り組んでいる。

主要な鉄道動線では、既存基地局を活ようした対策を完了した

主要な鉄道動線では、既存基地局を活ようした対策を完了した

これらの取り組みの結果、改善箇所の2023年12月時点の下りスループットは、同年5月と比べて1.7倍になったという。

改善箇所のスループットは1.7倍に

改善箇所のスループットは1.7倍に

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