「ローカル5Gが制度化された2019年以前から、ローカル5G事業に関与してきた。これまでは端末の開発が中心だったが、ネットワーク設計に関する知見も蓄積されてきた」。こう話すのは、シャープ パーソナル通信事業本部 要素開発部 研究員の日向崚輝氏だ。
シャープ パーソナル通信事業本部 要素開発部 研究員 日向崚輝氏
シャープは2015年にWi-Fiネットワークソリューション事業に参入し、アクセスポイントなどのWi-Fi製品の開発・販売を行うなど、無線ソリューション事業に注力してきた。
5G事業においては、対応端末の開発に重きを置き、2020年には5G対応スマートフォン「AQUOS R5G」や、5Gモバイルルーター「Wi-Fi STATION」などをリリース。2023年9月末時点で、50機種以上の5G対応端末を取り揃えている。
5G必須特許シェア分析ツール「SEPOmniLytics」から取得したデータによると、5G特許シェアはNTTドコモに次いで国内第2位、グローバルでは第13位に位置する。「幅広い5G製品で、国内の5G化に貢献してきた」と日向氏は胸を張る。
2021年以降は、ローカル5Gを活用したドローン搭載カメラからの8K映像伝送を広島県東広島市で実施するなど、ローカル5Gの実証実験も積極的に行ってきた。
また、同年にローカル5Gを活用した新たなソリューションの共創の場「SHARP Local 5G Trial Field」を、幕張事業所と広島事業所内に開設。AR(拡張現実)による遠隔指導ソリューションや、ローカル5Gのスループットなどが体験でき、ユーザー企業・SIer含め約70社の企業が同施設に訪れたという。