NTTドコモとNTTコミュニケーションズは2023年8月7日、画像認識AIを用いた遠隔から建設現場を仮想的に巡回できるシステムにて、現場作業を阻害する資材を未然に検出し、その資材の移動指示などを作業員に共有する実証実験に成功したと発表した。
同システムは、資材ヤード、工事区画、搬入口などの建設現場のエリアにおいて、画像認識AIを用いて作業を阻害する資材を検出するとともに、作業を阻害する資材に関わる対応事項および対応期限を作業員へ共有する機能を提供する。
具体的には、5分ごとに固定カメラで撮影する対象エリアの画像から、画像認識AIを用いて資材を検出し、登録済みの対象エリアの情報と利用期間を照らし合わせ、作業を阻害する資材か否かを判定し、必要に応じ、作業員に移動場所や移動期日を添えて対応を指示するという。
実証実験では、建設現場の搬入口とエレベーター前に固定カメラを1台ずつ設置し、現場から離れた場所にあるパソコンから作業を阻害する資材を検出。検出した各資材に対しての作業指示作成とともに、作業指示内容を作業員が閲覧できたという。
結果、システムが資材として検出した物体のうち、実際に資材であった確率が90%以上、実際の資材のうち、システムが資材として検出した確率が80%以上で、遠隔から建設現場の段取りを妨げる資材を未然に検出する技術の有効性を確認できたという。遠隔から建設現場で作業を阻害する資材をAIにより未然に検出する技術の確立は、日本初とのこと。
建設現場のエレベーター前における資材検出の様子
両社は同システムにより、現場監督の巡回作業の負担軽減や作業員の長時間労働削減に貢献し、2024年度の実用化を目指すという。