大林組とカンストがメッシュWi-Fi実証、トンネル工事の遠隔臨場に向けて

メッシュ型通信が可能なマルチホップ無線ルーター「BC-Link」を販売するカンストは2023年7月19日、大林組の協力を得て、関東圏内のトンネル掘削工事現場において、メッシュ通信ネットワークの通信品質の実証実験を行ったことを発表した。国土交通省が推進する遠隔臨場の実現に向けてトンネル坑内での通信環境確保を目指したもので、メッシュ通信を使った現場臨場の実施が可能であることを検証した。

防水・防塵対応筐体にセットしたBC-Link(左)と、実証実験風景

防水・防塵対応筐体にセットしたBC-Link(左)と、実証実験風景

遠隔臨場とは、動画撮影用のカメラで撮影した映像と音声を使って、遠隔地からWeb会議システム等を介して「段階確認」「材料確認」「立会」を行うもの。トンネル坑内全体に無線ネットワークを構築するには、掘削工事の進捗に伴ってアクセスポイントを追加していく必要があるが、ネットワークケーブルを延伸していく方法ではその都度、敷設工事が必要となり、また、工事においてケーブル損傷に配慮しなければならない。

ルーター同士が無線で中継するメッシュ通信を活用することで配線工事が不要となるが、カンストの発表によれば、一般的なメッシュ型無線ルーターでは、中継を重ねるに連れ通信速度が大きく減衰することが課題だった。

同社のBC-Linkはこの課題を克服するための業務用メッシュ型通信ルーターで、10台以上の中継が可能。今回、大林組の協力を得て、トンネル工事現場でその性能を実証。親機にサーバー(作業用 PC)を接続し、親機、子機それぞれの1mから2m離れた場所から測定用PCで速度を計測した。

実験の検証結果

実験の検証結果

検証結果は上図表の通り。5台の多段中継で実験を行い、パフォーマンスの劣化を最大で30%に抑えた。最大中継距離に余力を持つことでネットワークパフォーマンスを維持できることが確認できたという。

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