シャープが電子書籍配信サービス「GALAPAGOS」を12月に開始

シャープは2010年9月27日、クラウドメディア事業「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を開始すると発表した。その第一弾として電子書籍サービスを12月より提供し、合わせて専用端末も発売する。

「世界のデファクト技術をベースに日本ならではのノウハウとテクノロジーを融合させることで、世界各地域で通用する商品にする」――。オンリーワン商品・デザイン本部長の岡田圭子氏はガラパゴスという名称に込めた思いをこう説明した。ガラパゴスというと、「ガラケー」などのように世界標準から離れて日本独自の進化を遂げた製品を揶揄する言葉として使われるが、同サービスはソフトウェアによる更新機能を搭載するなど、むしろ「変化に敏感に対応する進化」と捉えているという。

シャープ オンリーワン商品・デザイン本部長の岡田圭子氏

電子書籍サービスは、新聞・雑誌・書籍など開始時点で約3万点のコンテンツを用意する。あらかじめ設定した時間帯にコンテンツが専用端末に配信される「自動定期配信サービス」を備えるほか、コンテンツの体験版を無料で閲覧し、気に入った場合にはすぐに購入できる。来春には映像や音楽、ゲームなどの配信も開始する予定。将来的にはeコマースや広告サービスも視野に入れている。また、スマートフォンやシャープの液晶テレビ「AQUOS」にも対応する。

12月に発売される専用端末は5.5型(1024×600ドット)と10.8型(1366×800ドット)の2機種。文庫本サイズで持ち運びに適した5.5型にはトラックボールを搭載しており、通勤電車の車内など混雑した空間でもページ送りなどの操作が片手で行える。10.8型は高精細HD液晶で雑誌を見開きで閲覧できる家庭用となっている。いずれもAndroid OSを搭載し、IEEE802b/gの無線LANで通信する。縦書き表示やルビなど日本語特有の表現に適したシャープ独自の電子書籍フォーマットXMDFに対応。見出しやイメージ画像のレイアウトはそのままで文字サイズだけを拡大したり、画面に触れると次の文章が表示される。今後、HTMLやPDF、ePUBなどのフォーマットにも対応する。

モバイルタイプの5.5型(左)とホームタイプの10.8型

電子書籍端末の価格や発売日などの詳細は未定。執行役員・情報通信事業統統轄の大畠昌巳氏は「2011年のできるだけ早い時期に100万台契約を目指したい」と目標を語った。また、米国を中心に欧州など積極的に海外展開する。アジアなどの新興国では電子教科書としての利用も想定しているという。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。