【イオン九州】HDテレビ会議で集合会議を「ほぼゼロに」

イオン九州は、テレビ会議とWeb会議のハイブリッドで本社と96店舗を結び、集合会議をほぼゼロにした。テレビ会議はHD対応で、売れ筋商品の情報を映像付きで共有するなど活用法を工夫している。

イオン九州は、「ジャスコ」や「サティ」をはじめとする複数のブランドで店舗展開し、九州全域に深く根を張っている。徹底した顧客志向を実践する「顧客満足業」を目指し、イオングループのシナジーやスケールメリットを活かしながら、それぞれの地域の特性に応じた店づくりを通じて「グローバル」と「ベストローカル」とを融合させた「グローカル」な経営を推進している。

HD対応機で従来の課題を解決

2010年6月末現在で九州全域に96店舗を持つ同社は、集合会議を福岡市博多区の本社で実施するだけでもかなりの時間と移動コストの負担になる。そこで2003年にWeb会議システムを導入し、集合会議の置き換えを図った。だが、経営管理本部情報システム部長の菅原宏樹氏によると、結果的に「コミュニケーションの質が低下してしまった」という。

経営管理本部 情報システム部長 菅原宏樹氏
経営管理本部 情報システム部長 菅原宏樹氏

導入したWeb会議システムは、当時としては最新機能を備えたものだったが、同時に顔が確認できるのは32拠点に限られていたため、対象拠点すべてが会議に参加しているのかを確認するために毎回20~30分もかけて点呼を取っていた。また、回線やPCのスペックにも左右され、頻繁に映像や音声が途切れたり、共有していた資料の表示に時間がかかったりと「色々なことに泣かされ続けて運用していた」という。このため、利用頻度が徐々に減り、集合会議に戻っていた会議も多かった。

2009年になって、菅原部長はあるメーカーのプライベートフェアで、ハイビジョン(HD)対応のテレビ会議システムのデモンストレーションを見る機会があった。ひと目で画質に心を奪われ、「これなら“テレビ会議の質が悪いからコミュニケーションの質が低下した”という課題を解決できる」と考えたという。時を同じくして、岡澤正章社長から「集合会議をゼロにしてコストを大幅に削減したいので、テレビ会議を刷新しろ」との業務命令が下った。

イオン九州のネットワークは、20年にわたって富士通ビジネスシステム(FJB)が手掛けている。このため菅原部長が、担当者の西日本システム統括部九州・中四国システム部プロジェクト部長の白水久満男氏と九州支社第一ソリューションビジネス営業部担当課長の増田正典氏に相談したところ、日立ハイテクノロジーズが扱うHD対応テレビ会議システム「LifeSize Express」を勧められた。そこで、菅原部長が製品を見たメーカーとFJBとでコンペティションを実施することになった。

月刊テレコミュニケーション2010年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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