5Gに最も注目している業界─―それが製造業だ。5Gの法人関連の引き合いのうち「KDDIでは40%を製造・自動車系が占めている」とKDDI ソリューション事業本部 サービス企画開発本部 5G・IoTサービス企画部 部長の野口一宙氏は明かす。
KDDI ソリューション事業本部 サービス企画開発本部 5G・IoTサービス企画部 部長 野口一宙氏
野口氏によれば、製造業における5Gの典型的なユースケースは大きく3つある。1つは画像・映像解析だ。4Kなどの高精細画像を5Gでクラウドなどへ伝送して解析する。例えば作業者の手順ミスや危険な動作などをリアルタイムに検出して通知したり、製品・部品の汚れや異物、キズ、変形などの欠陥を発見する外観検査などが可能になる。
2つめはXR技術の活用だ。「スマートグラスと組み合わせた遠隔作業支援が多い。VR/ARを活用することで、熟練者が複数の非熟練者を効果的に指導できる」。細かな所作を言葉で伝えるのは難しいが、XR技術で熟練者があたかも傍にいるかのように指導できれば効率的な指導が可能になる。
3つめはロボティクスで、AGV(無人搬送車)やドローン、産業用ロボットなどを制御し、工場内の無人化やワイヤレス化を進めるものだ。
製造業では多くのユースケースが生まれているが、5Gに期待しているものは何か。「工場内ネットワークの中で完結していたデジタル化を1段先へ進めるため、5Gでクラウドなど外部につなげたいという要望が増えている」とソフトバンク 法人事業統括 法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第2 統括部 統括部長の梅村淳史氏は語る。
ソフトバンク 法人事業統括 法人プロダクト&事業戦略本部
デジタルオートメーション事業 第2統括部 統括部長 梅村淳史氏