NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は2024年9月2日、スマートシティ事業に関する記者発表会を開き、「スマートシティ デジタル実装コミュニティ」の発足を発表した。
NTT ComはDXにより社会課題を解決し、企業や社会の持続的な成長が達成された世界を「Smart Wolrd」と呼び、実現に向けた取り組みを各分野で進めている。
そのなかで、様々な領域が連携するスマートシティ事業は「扇の要」(同社 執行役員 ビジネスソリューション本部 スマートワールドビジネス部 部長の福田亜希子氏)。NTT Comはビル・街区内のネットワークインフラ整備に始まり、現在では街のデータを利活用するプラットフォーム「Smart Data Platform for City」も提供している。
NTT Comは、ビルや街で働く人やそこを訪れる人に向けたアプリや、施設管理を高度化するシステムなどのデジタルサービスを提供すると同時に、得られたデータの利活用をすでに進めている。こうしたサービスによってスマート化される建物が増えることがスマートシティ化につながるが、街全体に広く実装するには様々な課題があるという。
その課題として同社 スマートシティ推進室 室長の塚本広樹氏は、従来のビルのデジタルアーキテクチャが個別最適化されていることや、設計と施工で業務プロセスや関係者が分断されており、デジタル施策が後追いになってしまうことを挙げた。さらに、近年の人材不足や資材高騰がそれに追い打ちをかけている。高まるGXへの要求にどう応えるかも大きな問題だ。
加えて、現在の建築・不動産ビジネスの構造は竣工までが主体となっており、その後の運用に対する考慮が不足していることを指摘。塚本氏は、ガラケーがスマートフォンに進化し、OSやソフトのアップデートで機能を更新できるようになったのと同様に、「建物も竣工後に進化させたい」と話した。