月額1万9800円からのマルチクラウド接続 BBIXがエンタープライズ向けにクラウド型ネットワークサービス

マルチクラウドへの接続が必要になり、企業ネットワークの複雑性が増している。この複雑性に対応するため、BBIXでは複数クラウド・データセンターに閉域網でつながるハブを提供。クラウドからGUIでオンデマンドに、クラウド・データセンターに接続できるサービスを開始した。

BBIXおよび、BBIX子会社のBBSakura Networksは2022年5月30日、「Open Connectivity eXchange(以下、OCX)」の提供を開始したと発表した。AWSなどのクラウドプラットフォームやデータセンターへの閉域網による接続をオンデマンドで提供する。ユーザーは構内にOCXネットワークに接続するための機器と構内配線を準備すれば、クラウドポータルからこれらのネットワークを一元的に管理できるようになる。

OCXの概要 
 OCXの概要 
 
BBIXは、通信事業者向けにトラフィック交換の場を提供するインターネットエクスチェンジ(IX)事業が中心だが、今回はエンタープライズ向けのサービス提供となる。

近年、企業では複数のクラウドやデータセンターを利用するようになった。しかし、本社とこれらのクラウドやデータセンター、あるいはクラウド同士を閉域網で接続したり構成を変更するためには、各プロパイダ―との交渉やネットワーク機器の設定変更などが必要になり、多くの時間や人材が必要だった。

OCXはこれらを1つのプラットフォームから集中管理し、ユーザーがオンデマンドに変更できる状態を目指す。「ユーザーは専用のポータルにアクセスしてマウスでクリックするだけで、ネットワークを構築したり、そのネットワークがデータセンターやISPの回線、クラウドサービスに複雑な実装を意識せず接続できることをゴールにしている」とBBIX プラットフォーム事業本部 本部長 兼 プラットフォーム事業本部 クラウド事業推進部 部長の佐々木秀幸氏は説明した。

 
BBIX プラットフォーム事業本部 本部長 兼 プラットフォーム事業本部 クラウド事業推進部 部長の佐々木秀幸氏
BBIX プラットフォーム事業本部 本部長 兼
プラットフォーム事業本部 クラウド事業推進部 部長の佐々木秀幸氏

 
こうしたゴールに向けて、大きく3つのサービスメニューを用意。1つめの「フィジカルポート」は「BBIXのファシリティに接続するためのサービスで、1Gと10Gのインターフェースを用意している」と佐々木氏は紹介した。2つめは「VCI(Virtual Circuit Interface)」で、「要はVLANなどの論理的な接続を提供しサポートするものだ。データセンター間、クラウド間の閉域網を論理的に分割することができる」(佐々木氏)。3つめが、各クラウドサービスへの閉域接続を提供する「クラウドコネクション」だ。

これらのサービスをクラウドから利用できるため、ユーザーは各拠点に接続するためのデータセンター契約および、データセンター内のラックスペース、各クラウドへ結ぶ配線、ルーターなどを自前で用意する必要が無くなる。これにより、購入コストや維持管理コストの削減につながるとしている。「クラウドサービスであるため、機器の購入や維持コストが不要で、必要な分だけ利用してコストを最適化できる。システム間の連携はAPIベースで行い、セキュリティ面でも信頼できるプラットフォームだ」と佐々木氏は強調した。なお、先述したように、各拠点からOCXに接続するための機器と構内配線は必要だ。

接続できる対象は次の図表の通り。データセンターはNTTデータ大手町ビル、アット東京 CC1、Equinix TY4、 ソフトバンク 東京第四データセンターの4拠点。クラウドはさくらのクラウド、AWS、Azure、GCPの4種類となっている。

 

OCXのメニュー・接続先

 OCXのメニュー・接続先

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