ワイヤレスジャパン/WTP2022「透過率99%の透明アンテナ」など多種多様なソリューションを展示するコーンズテクノロジー

東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン/WTP2022」。世界中のメーカーの総代理店を務めるコーンズテクノロジーのブースでは、バリエーション豊かなソリューションが並んでいる。メタマテリアル技術を組み込んだ透明アンテナや、電波暗室、60GHz帯チップセットなど、珍しい製品が目白押しだ。

5Gで初めてキャリアネットワークが利用を開始したミリ波。帯域幅をふんだんに使えることから高速大容量、多接続、低遅延などの実現にこれら高周波数帯の活用は必要不可欠だ。
 
しかしミリ波などの高周波数帯は回折性が低くエリアカバーが難しい。そこで近年普及しているのがメタマテリアル技術を利用した素材だ。メタマテリアルとは自然界に無い物質で、マイクロ波から光まで、電波の反射する角度を調節できるもの。メタマテリアル素材を活用し、基地局からの電波を建物の影などにも届けようとしている。
 
コーンズテクノロジーが提供するのは米Metamaterial社の、メタマテリアル素材で作られたフィルム「NanoWeb」だ。現地説明員は「線幅が500nmと非常に細いため、透明度が高い。99%の透過度だ。ビルのガラス面に貼り付けて、電波の入射角と反射角を調整するほか、EVの車載アンテナなどにも利用できるし、フロントガラスに貼り付けたいという話も来ている」と紹介した。
 
NanoWeb

 メタマテリアル素材のフィルム「NanoWeb」

 
透明度の高さにより、ガラスに貼っても外観を損なわいことから住宅地にも組み込みやすい。アンテナに貼り付けても視界を遮らない。こうした点はユーザーにも高評価だという。この素材を利用して作成した、ノイズなどを防ぐためのEMI(電磁波)シールドを透明化した製品も併せて展示されていた。もちろん、反射板の素材としても利用できる。

フィルムの外観 フィルムの外観。非常に透明度が高い
 
また、スウェーデンBluetest社が2022年1月から提供を開始した「OTA試験用 リバブレーションチャンバー(Reverberation chamber)」も展示していた。これは通常のチャンバーと違って「内部に電波を拡散するスティーラーと呼ばれる反射板が組み込まれており、マルチパスで電波が飛び交う環境を再現できる」と説明員は説明した。マルチパス環境を再現することで、産業用ロボット、家電メーカーなどがテストをしやすくなるという。オプション使用で43GHzまで拡張でき、5Gにも対応可能だ。

同社はコーンズRFエンジニアリングと共同で、この電波暗室での測定サービスも提供している。「とあるキャリアの指定ラボにもなっているし、近年では車載部品のメーカーからの引き合いも多い」(説明員)。

 

コーンズテクノロジーの測定支援サービス 

 

コーンズテクノロジーのチャンバーでの測定支援サービス。
Bluetest OTA試験用リバブレーションチャンバなどを利用したテストが可能だ

コーンズテクノロジーはそのほかにも60GHz帯のチップセット&モジュールや、ミリ波用の半導体、アンプなど多様な製品を出展しており、今まで触れてない製品に出会える展示となっていた。

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