SPECIAL TOPICクラウドファースト時代新たな企業ネットワーク 快適でセキュアな通信を実現

これまで本社やデータセンター、各拠点とは閉域網で接続されることがほとんどだった。しかし、IT環境の変化に柔軟に対応できないという課題が浮上してきた。ソフトバンクはこの問題を解決すべく、統合的なセキュリティ機能と柔軟なネットワーク構成を両立できる「SD-WAN Type F」など複数のSD-WANサービスを提供し、企業のDXを後押ししている。

FortiGateをベースにSASEとの連携も可能こうしたニーズに適しているSD-WANサービスが、ソフトバンクが提供する「SD-WAN Type F」だ(図表1)。SD-WAN機能に加え、次世代ファイアウォールやWebフィルタリングといった統合的なセキュリティ機能を1台でまとめて提供する米フォーティネット社の「FortiGate」を採用し、国内はもちろん、全世界にまたがりサービスを提供している。

図表1 SD-WAN Type Fサービスの概要

図表1 SD-WAN Type Fサービスの概要

クラウドサービスの利用拡大に伴うプロキシサーバーや回線の逼迫といった課題も、SD-WAN Type Fを導入すれば、トラフィックを従来のIPアドレスとポート単位ではなく、レイヤ7のアプリケーションレベルできめ細かく制御を行うことで解決できる。「たとえばMicrosoft 365のトラフィックだけはインターネット回線経由で直接外部に接続する形にし、それ以外の通信は従来通り閉域網経由とすることで、回線を増設することなくトラフィックの問題を解消し、今まで通り業務が行えます」(野口氏)。しかも、これまで利用してきたプロキシサーバーと連携しながら防御・制御を行えるため、既存の投資を生かしながら通信を最適化できる点も特徴だ(図表2)。

図表2 SD-WAN Type Fの強み

図表2 SD-WAN Type Fの強み

ブレイクアウトの結果、限られたクラウドサービスのみとはいえ、インターネットに直接アクセスするとなるとセキュリティが気になるところだが、SD-WAN Type FではFortiGateが提供するWebフィルタリングやアンチウイルス、サンドボックスといった統合的なセキュリティ機能により脅威を防ぐことができる。フォーティネット独自開発のASIC「FortiASICプロセッサ」を搭載しているため、パフォーマンスを損なわず処理が行えることも利点となっている。

クラウドサービスやリモートワークの広がりにともなって、データセンターのゲートウェイに導入した機器でセキュリティ制御を行う境界防御に代わり、SASEやゼロトラストと呼ばれる新しいセキュリティの考え方に注目が集まっている。そうしたアーキテクチャへのシームレスな移行をサポートできることも、SD-WAN Type Fの特徴だ。「昨今、これまで事務所やデータセンターに持たせてきたセキュリティ機能やネットワーク機能をクラウド側に持たせ、一括で管理するSASEという概念が注目を集めています。SASEを提供する代表的なベンダーであるZscaler社やパロアルトネットワークス社のサービスと連携し、一元的に運用できます」(野口氏)

これにより、新しい環境に即したより高度なネットワークセキュリティ環境が実現できる。ただ、日々上がってくる大量のアラートを確認し、優先順位を付けて適切に対処するには、脅威やセキュリティに関する知見がないと難しい。その部分を補うサービスとして、ソフトバンクのセキュリティ運用サービス「マネージドセキュリティサービスベーシック」と連携することが可能だ。自社に代わって、ソフトバンクのセキュリティ窓口が24時間365日体制で監視を行い、不正な通信を検知した場合は自動遮断まで行う。「ネットワーク運用だけでなく、セキュリティも一元的に保守できます」と野口氏は説明する。

同社 法人プロダクト&事業戦略本部 コミュニケーション事業統括部 ソリューションサービス部 部長の辻英明氏によると、「ひとまず、トラフィックが非常に多い主要拠点だけでもSD-WAN Type Fに移行したい」という顧客にはじまり、数十、数百拠点を丸ごとSD-WANに移行する計画を検討しているケースもあるという。また、グローバルに展開している顧客では、クラウド事業者のVPN Gatewayサービスを組み合わせ、通信品質とコストの最適化を図る事例も増えている。

左からソフトバンク 法人プロダクト&事業戦略本部 コミュニケーション事業統括部 ソリューションサービス部 部長 辻英明氏、グローバルサービス部 サービス企画1課/2課 課長代行 野口剛史氏

左からソフトバンク 法人プロダクト&事業戦略本部 コミュニケーション事業統括部 ソリューションサービス部 部長 辻英明氏、グローバルサービス部 サービス企画1課/2課 課長代行 野口剛史氏

ソフトバンクはキャリアとしての強みを生かし、回線と一体化したサービスを提供するのはもちろん、5G接続への対応も検討している。「5Gならば大容量の通信が可能になるため、バックアップだけでなくメインの回線としても利用できるようになるでしょう。店舗の場所が頻繁に変わるようなお客様のニーズにも、迅速に対応できます」と辻氏は今後の青写真を描いている。さらにネットワークの上にIoTやAIといった付加価値を組み合わせ、顧客のデジタルトランスフォーメーションを強力に促進していく。

<お問い合わせ先>
ソフトバンク株式会社
お問合せフォームURL:
https://www.softbank.jp/biz/nw/nwp/sdx/sd-wan/

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