NECとドコモ、無線アクセスをインテリジェント化するRICを共同開発

NECは2021年6月22日、NTTドコモとRAN(Radio Access Network)のインテリジェント化を実現するRIC(RAN Intelligent Controller)を共同で開発し、6月28日から7月1日まで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2021」のオンライン展示として公開すると発表した。

両社はRICの活用により、RANの運用コスト削減や性能向上、消費電力削減などを目指している。初期の取り組みとして、基地局設定の自動化など主にRANの運用コスト削減に向けた活用を実現。さらに次のステップとして、無線リソースを自動的・自律的に最適化することでRANの性能向上を図り、ネットワーク機器の消費電力の削減などを実現していくとしている。

RIC開発のロードマップ
RIC開発のロードマップ

将来的には、制御周期を低速制御から高速制御へ、基地局単位からユーザー単位の制御へと段階的に高度化するとともに無線リソースとコンピューティングリソースなど異なる要素の制御を連動させた最適化を行う。大容量、超低遅延・高信頼、同時多接続の特性の最適化を行い、ネットワークのさらなる高度化を進めて多様なサービスを実現し、新たな価値の創造を目指すという。

この開発において、NECはRIC機能を含めたOpen RANアーキテクチャのSMO(Service Management and Orchestration)フレームワークを網羅する、Open RANドメインオーケストレーションソリューションを提供する。これは、NEC子会社であるNetcracker TechnologyのDigital OSS(運用支援システム)の技術を活用しており、RAN領域の計画・設計・設定・監視および最適化までのすべての運用業務を完全に自動化するために必要な、オーケストレーション、運用管理、および分析の各種機能を統合するものだ。ネットワークオペレータがRAN領域の運用に必要な各種情報を一元的に統合し、ネットワーク状況を可視化することで、障害などの予兆分析を含む分析プロセスの最適化やリソースの最適化などを通じた、RAN領域のビジネスKPIの改善に貢献するとしている。

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