「逆張り」もアリ、IDCの国内DC向けイーサネットスイッチ市場予測はマイナス

IDC Japanは2020年9月15日、国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場予測を発表した。これによると、データセンター向けイーサネットスイッチ市場全体の2019年~2024年の年間平均成長率(CAGR)は、マイナス3.6%とマイナス成長の見込みとなった。

調査は大きく3つの市場に分けて行われ、プライベートクラウド向けイーサネットスイッチの2019~2024年のCAGRが1.7%、パブリッククラウド向けがマイナス0.7%、クラウド以外のトラディショナルデータセンター向けは、マイナス7.7%と大きく減少する予測となった。

市場の最も大きな変更としては、アプリケーション/ワークロードのクラウドシフトと、それに伴う購入者の変化だ。クラウドシフトの進展に伴って、イーサネットスイッチの配備先も、トラディショナルなデータセンターから、パブリッククラウドやプライベートクラウドに重心が移っている。そして、グローバルスケールのクラウド事業者が、データセンター向けイーサネットスイッチの購買力を高めている。

また、DCネットワークアーキテクチャも変化した。パブリッククラウド事業者を始めとするハイパースケーラーが拡張性、導入の迅速性、リソースの効率化利用を求めた結果、Leaf & Spineアーキテクチャやレイヤー3ファブリックが、より広いユーザー層に普及している。

また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響により、短期的には、オンプレミスの企業ITシステム向けを中心に市場が大きく落ち込む。2020年のトラディショナルデータセンター向けイーサネットスイッチの前年比成長率はマイナス16.1%、より成長の潜在力の高いプライベートクラウド向けもマイナス5.4%と初めてマイナス成長に転じる予測だ。

IDC Japanの草野賢一氏は「データセンター向けイーサネットスイッチベンダーは、ポストコロナ時代に適合したオンプレミスデータセンター向け製品戦略構築を進めるべきである。簡易で廉価なレイヤー3ファブリック構築ソリューションの強化に加えて、レイヤー3ファブリックに移行できない、または移行しない企業に対して、トラディショナルなデータセンターネットワークアーキテクチャに対応した製品を提供し続けるいわゆる「逆張り」戦略も取り得る戦略である」と述べた。

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